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“オレンジダービー”はドロー。大宮は新潟に6戦白星なし、新潟は開幕から5戦不敗に

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[5.7 J1第10節 大宮0-0新潟 NACK]

 J1第10節が7日に各地で行われ、NACK5スタジアム大宮では大宮アルディージャアルビレックス新潟が激突した。雨中決戦となった“オレンジダービー”。大宮はナビスコ杯を含めた最近5試合に勝ち星なしと苦手の新潟から今季ホーム初勝利を狙ったが、スコアレスドローに終わった。大宮はこれで新潟に6戦連続勝ち星なし。今季はまずまずのスタートを切っている新潟は、開幕から2勝3分と5不敗を守った。

 大宮は4-4-2を採用。GKは北野貴之、DFラインは右から渡部大輔、深谷友基、金英權、村上和弘。ダブルボランチは青木拓矢と上田康太が組み、2列目は右に東慶悟、左に渡邉大剛が入った。2トップは李天秀とラファエルが組んだ。

 対するアルビレックス新潟も4-4-2を採用。GKは東口順昭、DFラインは右から藤田征也、鈴木大輔、千葉和彦、酒井高徳。ダブルボランチは小林慶行と本間勲が組み、2列目は右に三門雄大、左にチョ・ヨンチョルが入った。2トップはブルーノ・ロペスとミシェウが組んだ。

 チームカラーが同じの“オレンジダービー”。立ち上がりから激しい戦いが予想されたが、いきなり新潟にアクシデントが襲った。開始2分、左サイド深い位置でドリブルを仕掛けたチョ・ヨンチョルが自滅する形で足を痛める。プレー続行が不可能で、前半4分にMF木暮郁哉と交代となった。

 サイドアタックのキーマンを欠くことになった新潟。しかし、簡単には崩れない。大宮とはナビスコ杯を含めた最近のJ公式戦5試合で2勝3分と負けておらず、これが心理的に優位に働いているのか、安定した守備から自慢の2トップにボールを入れた。

 ホームの大宮は持ち味の前線からのプレスでボールを奪い、サイドMFや得点ランクトップタイ3得点と好調の李天秀とラファエルの2トップにボールを集めようとした。しかし、新潟の最終ラインが粘り強く守り、なかなか効果的な攻撃ができなかった。前半は終盤まで、ともにゴール前までは行くが、バイタルエリアの攻略に苦戦する一進一退の攻防が続いた。

 前半の終盤にともにチャンスを作る。同40分、新潟は左サイドで酒井の技ありの落としから木暮がドリブル突進。そして中央のミシェウが受けると、PA内左へループパス。これを酒井が走り込んで左足を合わせようとしたが、ミートできずに終わった。さらに同41分、藤田の右クロスに、ブルーノ・ロペスが頭を合わせるが、上に外れた。

 大宮も反撃。前半45分、上田が得意の左足で強烈ミドル。しかしこれはGK東口に弾かれた。前半ロスタイムには、左サイドから村上がクロスを入れると、PA中央で金英權がワンタッチで中に入れ、これに深谷が走り込み決定機を作るが、深谷の位置がオフサイドと判定された。前半はそのまま0-0で折り返した。

 後半、序盤はやや新潟がペースをつかむ。同3分、ブルーノ・ロペスが木暮の折り返しから左足でシュート。しかし、これは精度を欠いて上に外した。同9分には、ミシェウが得意のドリブルで仕掛けて右クロスを入れたが、これは中で誰も合わせることができなかった。

 後半25分、新潟が決定機を迎える。右サイド、ブルーノ・ロペスが金英權のマークを体の強さを発揮して振り切り、深い位置でグラウンダークロス。これにミシェウが走り込み、ゴールが決まるかと思われたが、大宮DFが一瞬早く追い付き先制点のチャンスを逃した。

 その後も新潟が決定機を迎える。後半30分、藤田が右サイドを仕掛けて絶妙クロス。これを中央ややファーサイドでブルーノ・ロペスがフリーでヘディングシュートを放ったが、叩きつけすぎてしまい、ワンバウンドして枠を外れてしまった。

 押される展開が続く大宮は後半30分、東に代えてスーパーサブのFW石原直樹を投入した。石原とラファエルの2トップに代え、李天秀を左MFに下げた。さらに同37分、渡邉に代えてMF藤本主税を送り出した。大宮は同40分、藤本が左足でミドルシュートを放ったが、ジャストミートはせず、GK東口にキャッチされた。

 新潟は後半43分、小林に代えてFW酒井宣福を投入した。酒井は右MFに入り、これでJデビューとなった。終盤、ともにゴールを狙うが、崩しきるまでには至らない。ロスタイムは2分。最後の最後で、セットプレーのこぼれ球から大宮の藤本がクロスを入れたが、ファーサイドのラファエルには合わず。直後に笛が鳴り、“オレンジダービー”はスコアレスドローに終わった。

[写真]大宮のラファエルと新潟・酒井高徳

(取材・文 近藤安弘)

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