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震災から3ヵ月、仙台はまたも逃げ切り失敗も無敗守る

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[6.11 J1第14節 神戸1-1仙台 ホームズ]

 東日本大震災からちょうど3ヵ月となったこの日、ベガルタ仙台は開幕からの無敗記録を9試合に伸ばした。とはいえ、これで最近5試合で4引き分け。いずれも先制しながら終盤に追い付かれる展開で「勝ち点2」を失う試合が続いている。

 立ち上がりから試合の主導権を握った。前半8分、今季初先発となったMF松下年宏の右クロスからFW赤嶺真吾がヘディングシュート。これはゴール上に外れたが、同21分、今度は左サイドに開いた松下のクロスに赤嶺がニアサイドへ飛び込み、ダイビングヘッドでゴール右隅に流し込んだ。

 1-0で折り返した後半立ち上がりも仙台ペースが続く。後半15分にはMF富田晋伍が強烈なミドルシュートを放つもGKが好セーブ。2点目を奪えずにいると、徐々に神戸に押し込まれた。後半39分、FW有田光希のヘッドはクロスバーに救われたが、同44分に失点。土壇場で追い付かれ、5月28日の横浜FM(1-1)に続いて逃げ切りに失敗した。

 手倉森誠監督は試合後のインタビューで「自分たちの成績に焦れずに、辛抱も今の時期は大事かなと割り切って、こういう試合を勝ち点3につなげられるチームになるように努力を続けたい」と、悔しさと手応えが混在する複雑な表情を浮かべていた。今季はここまで4勝5分(ナビスコ杯を含めれば5勝5分)の無敗。勝ち切れない試合が多いとはいえ、負けてもいない。あと一歩を勝ち切る勝負強さとしたたかさが身に付いたとき、仙台はもうひと皮むけ、本当の意味で強豪チームの仲間入りを果たせるはずだ。

(文 西山紘平)

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