beacon

大久保弾に東弾……、大宮vs神戸は1-1の痛み分け

このエントリーをはてなブックマークに追加
[6.26 J1第18節 大宮1-1神戸 NACK]

 J1第18節の2日目が各地で行われ、NACK5スタジアム大宮では大宮アルディージャヴィッセル神戸が大戦した。後半8分に神戸がFW大久保嘉人のゴールで先制に成功したが、大宮は途中出場のU-22日本代表MF東慶悟が後半38分に同点弾を決め、1-1の引き分けに終わった。

 大宮は4-4-2システムを採用。GKは北野貴之、DFラインは右から渡部大輔、深谷友基、坪内秀介、村上和弘。ダブルボランチは金澤慎と上田康太が組み、2列目は右に青木拓矢、左に藤本主税が入った。2トップはラファエルと李天秀が組んだ。U-22日本代表に参加し合流したばかりのMF東慶悟はベンチスタートだった。

 対する神戸も4-4-2を採用。GKは徳重健太、DFラインは右から近藤岳登、北本久仁衛、河本裕之、茂木弘人。ダブルボランチは松岡亮輔とボッティが組み、2列目は右に田中英雄、左に小川慶治朗が入った。2トップは大久保嘉人と吉田孝行が組んだ。

 立ち上がり、ともに中盤でのプレスをしっかりと掛け、攻守の入れ替えが激しかった。ただ、ともにバイタルエリアを崩すことはできない。それではと前半14分、大宮は藤本がPA左でミドルシュート。その1分後にはPA右を李天秀がドリブルで仕掛けてDFを交わし、左足を一閃。いずれも決めきれなかったが、個人技でゴールをうかがった。

 神戸は守備で奮闘したが、奪った後、2トップにボールが収まらないため攻撃の形が作れない。それでも前半22分、大久保が右にサイドチェンジ。これを受けた近藤が仕掛けてクロスを入れる。大宮DFをかすめたボールはPA内右に走り込んだ大久保のもとにこぼれたが、右足のシュートは上に外れた。

 大宮は前半27分、ラファエルの縦パスに走り込んだ李天秀が左足でシュートを放ったが、GKにセーブされた。神戸は同32分、大久保が右サイドからロングシュートを放つ。強烈な一撃はややブレながらゴールに向かったが、GK北野にセーブされた。

 前半45分、再び大久保に決定機が訪れる。左サイドからのクロスを河本が落とし、PA正面やや右にいた大久保がシュート。しかし、これはGK北野の正面を突いて決められなかった。前半はともにスコアレスで折り返した。

 後半序盤、ともにチャンスを作る。まずは神戸。後半3分、右サイドからのボッティのクロスに大久保がオーバーヘッドキックを繰り出すが、ミートに失敗した。そして次は大宮。同4分、GK北野が前線の李天秀にロングフィード。一度は神戸DF北本がヘディングでGK徳重にバックパスしたが、これが弱く、李天秀が快足を活かして詰めた。しかし、右足のシュートはGK徳重の正面を突いてしまった。

 全体的に攻守が激しく切り替わる中、神戸が敵地で大きな先制点を奪った。後半8分、左サイドを突破し、PA内左に侵入。何とか折り返し、これに中央で大久保嘉人が反応。右足で狙いすましてゴール左に沈め、1-0リードに導いた。大久保にとって7試合ぶりの今季4得点目は、チームにとっても4試合ぶりのゴールとなった。

 失点後すぐさま、大宮にも好機が訪れる。後半10分、左からのボールに、ゴール至近距離で坪内が頭を合わせた。しかし、不運にもGK徳重の正面を突き、同点にはできなかった。

 ここまで2分3敗とホームで勝ち星がない大宮は後半14分、一気に2枚の交代カードを切った。金澤に代えてMF東慶悟を、藤本に代えてFW石原直樹を投入した。青木がボランチに下がり、東が右MF、李天秀が左MFとなり、石原は2トップの一角に入った。対する神戸は同16分、吉田に代えてFWポポを投入した。

 後半26分、大宮は東が正面から右足ミドル。これはGK徳重の正面で防がれた。その1分後、神戸はポポがカウンターで左サイドを突破し、右足グラウンダーのシュートを放ったが、わずかに右に外してしまった。大宮は同27分、最後のカードを切る。村上に代えてDF金英權を投入し、そのまま左SBに入れた。

 その後、ともに一進一退の攻防が続く。後半37分、神戸は疲れが見えていたボッティに代えてMF朴康造を投入。右サイドに入れて攻守の運動量アップを狙った。しかし、簡単に逃げきることはできなかった。

 後半38分、大宮が1-1同点に追いついた。左サイドを東慶悟がドリブルで突進し、PA内左へ侵入。神戸DF茂木が必死の戻りでクロスは阻止したが、茂木は濡れたピッチですべり転倒。そこを見逃さすに、東は角度の少ないところから右足でシュートを放った。これがゴールに突き刺さり、大宮が土壇場で追いついた。

 その1分後、神戸が反撃。カウンターから大久保がゴール正面で左足を振り抜いてゴール右を狙ったが、これはGK北野のファンセーブ阻まれた。そして後半46分、大宮にビッグチャンスが訪れた。PA左手前で石原が倒されてFKを獲得。しかし、キッカーの李天秀は壁に当てて決めきれなかった。

 ロスタイムは3分あり、その後、両軍ともにゴールを目指したがゴールは割れず。霧雨の中で行われた一戦は、1-1の引き分けに終わった。大宮はよく追いついたといえるが、これで今季ホーム戦に3分3敗と全6試合で勝ち星なしに。神戸は先生しながらも、これでリーグ戦6試合連続で白星から見放された。

(取材・文 近藤安弘)

TOP