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U-22代表の東が値千金弾。大宮の敗戦危機を救う

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[6.26 J1第18節 大宮1-1神戸 NACK]

 敗戦危機を“帰ってきたアタッカー”が救った。大宮アルディージャのU-22日本代表MF東慶悟が、ロンドン五輪アジア2次予選アウェーのクウェート戦から中2日の強行軍で神戸戦に途中出場。値千金の1-1同点ゴールを決めて勝ち点1をもたらした。

「先制されたので、出るなと思った。またホームで負けるのはヤバイと思っていた」

 後半8分に失点すると、東は同14分から出場した。2列目に入って大宮の攻撃に勢いをもたらした。そして同38分、PA左を得意のドリブルで仕掛け、最後は角度の無いところから右足を一閃。「枠は多分外れていたと思うけど、うまく相手に当たって入ってくれた」。強烈な一撃は相手をかすめてゴールイン。直後はオウンゴールと表示されたが、その後、東のゴールとして認められた。

 現地時間23日、日本時間では24日未明に行われたU-22クウェート代表戦にフル出場。25日午後に帰国したばかりだった。「疲れはあったけど、監督と話しあって、出ることを決めた。監督からはしっかり準備しておいてくれと言われた」と東。25日は試合に備えて体を少し動かし、本番に備えていた。

 疲れは言い訳にしたくなかった。仲間たちに負けられない気持ちがあった。前日25日、同じくU-22日本代表に選ばれていた浦和FW原口元気や柏DF酒井宏樹が途中から試合に出場し、チームに貢献した。「昨日出た人はすごいと思う。みんな出ていて、刺激になった」という東。原口は23日の試合は出番がなかったが、酒井は同じくフル出場していた。自身の方がさらに1日後の試合だけに、負けずにひと仕事したい思いがあった。

 それが見事に結実し、リーグ戦7試合ぶりの今季3得点目で、敗戦の可能性もあったチームに勝ち点1をもたらした。東は「体は疲れていたけど、負けなくてよかった」と安堵した。くしくも、この試合をU-22代表の関塚隆監督が視察。タフネスさをアピールすることもできた。

 とはいえ、満足はできない。チームはこれで今季ホーム戦に3分3敗と未勝利の状態が続いている。東は「ホームで勝てていない。次こそは勝たないといけない」と表情を引き締めた。次節は7月3日で、再びホームのNACK5スタジアム大宮で広島と対戦する。東は先発復帰が濃厚。また得点に絡み、今度こそサポーターにホーム戦白星を届けるつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

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