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「我々は決して諦めません」、浅野体制2戦目の福岡が連敗ストップ

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[8.14 J1第21節 福岡2-1川崎F レベスタ]

 気迫の逆転勝利だ。浅野哲也新監督就任2戦目にして初のホームゲームとなったアビスパ福岡はFW城後寿の2得点で川崎Fに2-1と逆転勝ちし、連敗を3で止めるとともに、5試合ぶりの勝利を飾った。

「我々は決して諦めません」。就任後初勝利となった浅野監督は試合後のインタビューで力強くJ1残留を宣言した。「この試合が今後のアビスパにとって重要な試合になるという意気込み、絶対に勝ち点3を取るんだという気持ちでバスからピッチに入りました」。そんな指揮官の目に飛び込んできたのがサポーターがスタンドに掲げた横断幕だった。

「オレたちは来年もJ1にいると思っている。諦めない気持ちがみたい!!」

 9581人の観衆が選手を後押しした。浅野体制2戦目でシステムを4-2-3-1から4-4-2に変更した福岡は両サイドのMF成岡翔、MF松浦拓弥がSBと連動しながらサイドを攻略。城後とFW岡本英也の2トップも前線で体を張った。

 前半22分には右サイドを個人技で突破した成岡の折り返しから松浦がポスト直撃のシュートを放つなど決定機もつくった。ところが、前半25分にセットプレーから失点。先制点を許す苦しい展開を強いられたが、最後まで攻撃の姿勢を貫いた。

 チームを救ったのは2試合ぶりに先発復帰したエースだった。後半24分、ピッチ中央で松浦からパスを受けたMF中町公祐が左足で絶妙な浮き球のスルーパス。ゴール前に抜け出した城後はうまくDF菊地光将の前に体を入れ、右足ダイレクトでゴール左に流し込んだ。2得点を決めた5月7日の横浜FM戦(2-3)以来となる城後の16試合ぶりのゴールは、チームとしても7月13日の大宮戦(1-0)以来、5試合ぶりのゴール。背番号10の同点弾で勢いに乗った。

 後半32分、6試合ぶりに先発したMF鈴木惇の左CKに合わせたDF丹羽大輝のヘディングシュートは右ポストに弾かれたが、福岡の攻勢は止まらない。後半18分にMF田中佑昌を投入した浅野監督は同35分にFW重松健太郎をピッチに送り込む。この交代策がズバリ的中した。

 後半40分、右サイドから仕掛けた田中佑が中央の城後に預けると、城後は左サイドに展開。重松は突破と見せかけてDFを引き付け、再び中央へ戻す。これを城後が右足でゴール右隅に流し込み、ついに福岡が逆転した。

 そのまま2-1で逃げ切り、今季3勝目を飾った福岡。城後は「みんな気持ちが入っていたし、サポーターの声が一段と大きくて、何としても勝たないといけないと思っていた。それを実行できてよかった」と安堵の表情を見せ、浅野監督は「我々は勝ち続けるしかない。ホームでもアウェーでも、勝ち点3を取るために必死で戦うしかない」と意気込んだ。残留圏となる15位大宮までは勝ち点12差。J1残留への道のりはまだまだ険しいが、この日の逆転勝利をきっかけにできるか。次節20日はアウェーでの柏戦。上位チーム相手に今季初の連勝を飾り、一戦必勝で逆転残留を目指す。

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