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5季ぶりゴールで鳥栖を上位戦線に進めた丹羽、「もう無いですね」

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[8.21 J2第25節 東京V0-2鳥栖 味スタ]
 逆転J1昇格へ、大きな勝ち点3を掴んだ。7位のサガン鳥栖は勝ち点差1で8位の東京Vを2-0で下し、5月以来約3カ月ぶり&今季3度目の連勝を果たした。順位は7位のままだが、勝ち点を33に伸ばし、首位FC東京、同勝ち点ながら得失点差で2位の徳島に8差と縮めた。
 大きく貢献したのが、右SBの丹羽竜平だった。前半11分、左サイドからMF金民友のクロスに、攻撃参加していた丹羽がファーサイドに飛び込んだ。うまく足を合わせたが、一度はGKに弾かれる。しかし、落ち着いて今度は頭で押し込み先制点をゲット。これが結果的に決勝点となった。
 丹羽にとっては当時J2だった神戸に在籍していた2006年以来、5シーズンぶりのゴール。「もう無いですね。(自分でも)珍しく決めたなと思った」と自虐的に振り返ったが、計算した上での攻撃参加だった。「けっこうヴェルディが中に絞っていたので、サイドが開いている時間が多かった」。スペースを見逃さずに、長い距離を走り切ったことでゴールが生まれた。
 ただ、試合後は悲しい? 扱いが待っていた。チームに上位進出への足掛かりとなる勝ち点3をもたらしたが、祝ってくれたのはサポーターのみ。ロッカールームでは「俺のよりも、藤田のゴールか、豊田のゴールかをみんな話していた」と丹羽は苦笑いを浮かべた。後半15分に決めた2点目のことだ。MF藤田直之がミドルシュートを放ち、一旦は藤田のゴールとしてアナウンスされたが、ゴール前でFW豊田陽平が触ってコースを変えたとして、豊田のゴールと変更された。これが試合後の“話題の中心”だったのだ。
 そもそも、2006年5月の札幌戦(6-1○)で決めた自身のJ初ゴールも「あのときは6点目で、誰も喜んでくれなかった」と丹羽は苦笑いを浮かべた。たしかにチームメイトの話題の中心にはならなかったかもしれないが、東京Vを苦しめる先制弾を決め、さらに守備面では、快足のマラニョンやマッチアップしたMF飯尾一慶ら東京Vが誇る攻撃陣の完封に貢献と、大きな仕事をしてみせた。
「ここで負けたら下に飲まれてしまうし、勝てば上について行ける重要な試合だった。勝ててよかったです。今年は3連勝がない。次はホームなんで、もっと攻撃的にいきたいです」と丹羽。28日の水戸戦は今季初の3連勝がかかっている。5年ぶりのゴールと運気上昇中の丹羽が、攻守で活躍し勝利に貢献するつもりだ。
(取材・文 近藤安弘)

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