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「スマートではないけど…」富山が気迫の総力戦で千葉とスコアレスドロー

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[8.21 J2第25節 千葉0-0富山 フクアリ]

 総力戦で勝ち点1をもぎ取った。カターレ富山は相次ぐアクシデントにも選手全員が集中力を切らさず、敵地で千葉と0-0で引き分けた。連敗を3でストップする価値あるスコアレスドロー。安間貴義監督は「勝ち点を挙げて帰るという目的を持って試合に入った。しっかり勝ち点1を取ったことは、今の僕たちにとってはいい仕事ができたと言えると思う」と胸を張った。

 前半は千葉の攻勢にさらされた。MF朝日大輔が「相手がジェフさんということで気持ちが後ろ向きになるところがあって、消極的なプレーが多かった」と振り返ったとおり、相手をリスペクトするあまりミスを頻発。それでも0-0で折り返したことで、後半は互角に渡り合った。

 後半26分、足をつったDF池端陽介が交代。後半35分にはFW平野甲斐、MF棚橋雄介という攻撃的なカードを2枚切ろうとしたが、直前にDF足助翔が左肩を負傷。急きょ棚橋の投入を見合わせ、DF江添建次郎をピッチに送った。3バックのうち2枚がアクシデントで交代を余儀なくされ、後半40分過ぎにはDF福田俊介も足をつった。それでも懸命にプレーを続行。ダブルボランチのMF平出涼、MF舩津徹也がしっかりカバーし、気迫のディフェンスで千葉を完封。後半ロスタイムには平野の右クロスからFW黒部光昭がクロスバー直撃のシュートを放つ決定機もつくった。

 後半のシュート数は9本対7本で富山が上回っていた。「前半、イージーミスが多くて試合にならなかったのは修正しないといけない。ただ、取られ方が悪い中でもゼロで抑えたことで守備意識を確認できた。後半持ち直して、強い相手に挑む姿は必ず次につながると思う」。指揮官はチームの成長ぶりに手応えを口にした。

 試合終了の瞬間、千葉の選手が茫然と立ち尽くす中、富山の選手は次々とピッチに崩れ落ちた。精根尽き果てたように倒れ込む姿は、それだけ全力を使い切った証拠だ。「スマートではないけど、終わったあとの選手の姿を見ても、持っているものを出し切ってくれたことはサポーターにも届いたと思う。次も素晴らしい相手だが、少しでも嫌がられるプレーをして挑んでいきたい」。次節28日はホームに首位のF東京を迎える。その後も大分、湘南とのホーム3連戦。この日の勝ち点1を自信に変え、上位陣を苦しめていく。

[写真]富山はGK飯田を中心に守り切った

(取材・文 西山紘平)

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