beacon

大宮・東が11戦ぶりゴール、「清武さんが刺激になった。背中を追って頑張ってきた」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[8.27 J1第24節 大宮2-0磐田 NACK]

 大歓声を一身に浴びた。『ケイゴ・コール』が気持ちいい。オレンジ一色のスタンドを見渡すと、サポーターの笑顔が見えた。移籍後初の光景に、嬉しさが込み上げてきた。大宮アルディージャのU-22日本代表MF東慶悟が、11試合ぶりの今季4得点目を決めて磐田戦の2-0勝利に貢献した。後半27分、FWラファエルの落としから右足で先制点を決め、チームの12試合目にしてのホーム初勝利に導いた。

 チームのため、サポーターのために必死に戦ったが、ある男が“エネルゲン”になっていた。「僕の先輩の清武さんがA代表で活躍したりしてるのを見て、いい刺激になっている。僕も負けずにいきたい。いつも背中を追って頑張ってきたので、早く追いつけるように頑張っていきたい。この前、札幌で(A代表の韓国戦を)生で試合を見たけど、清武さんは貪欲にやっていた。凄く刺激になった」。

 報道陣から問われたわけでもないのに、自ら同じU-22世代で、10日の韓国戦でA代表デビューを果たしたC大阪MF清武弘嗣のことを口にした。東と清武は大分トリニータのU-18、そして一昨年までは大分のトップでチームメイトだった。学年は東がひとつ下だが、同じ攻撃的MFとして切磋琢磨してきた。清武の背中を常に見据え、追いつけ追い越せと努力を続けてきた。

 そんな盟友は今やC大阪の中心選手となり、ACLも経験。8月にはついに、A代表に選出され、選ばれただけではなく、10日の韓国戦では初出場でアシストまで決めた。自身は8月上旬のA代表候補合宿には選ばれたが、残ることはできなかった。身近に感じ、ライバルだと思っていた先輩は、どんどん先を走っていく。札幌ドームで、MF本田圭佑やMF香川真司ら世界的なプレーヤーと遜色なく戦う清武を見て、ますますアスリートの本能に火が付いた。
 
 この日の磐田戦は、U-22日本代表の関塚隆監督が視察に訪れた。韓国戦と同じ10日に行われたU-22のエジプト戦では、東は先発はしたものの、ゴールを決められず。反対に、初招集されたMF山田直輝がトップ下の位置で先発し1得点1演出と大活躍した。こちらも刺激になり、Jリーグで結果を出さなければという強い思いを抱いた。つまり、チームを勝たせること。結果、関塚監督の前でしっかりとゴールを決めて勝利に貢献。アピールに成功した。

「直輝に限らず、中盤のポジションはいい選手ばかり。ほんと結果を残さないと出られないポジション。切磋琢磨していきたい。刺激になっているので、負けないように頑張りたい。そのために、1日1日を大切にして頑張っていきたい」

 29日からは鳥栖でU-22代表候補の強化キャンプが始まる。そして9月21日にはロンドン五輪アジア最終予選のマレーシア戦が、鳥栖のベストアメニティスタジアムで行われる。東は福岡の出身で、高校時代は大分で過ごした。馴染みの深い九州での試合となる。

「たぶん親だったり、今までお世話になっている人が見に来ると思う。まずは代表に選ばれることですけど、選ばれたら、試合では感謝の気持ちを込めてプレーしたい」と誓った。清武先輩に追いつけ追い越せ-。さらに成長を遂げ、日本を代表する選手になるつもりだ。そのためにも、まずは日本をロンドン五輪へ導く。

(取材・文 近藤安弘)

TOP