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東が不在の大宮は決定力不足、指揮官「重要な試合に敗戦してがっかり」

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[10.1 J1第28節 大宮0-2福岡 NACK]

 大宮アルディージャは痛い星を落とした。9月28日のナビスコ杯浦和戦(1-2●)に9選手を入れ替えて温存し、この日の最下位・福岡戦に懸けていたが、0-2の完敗。試合後は珍しく、サポーターからブーイングが飛び交った。

 キックオフが早かった16位の甲府が敗れていただけに、残留争いを抜け出す上でも白星が欲しかった。勝ち点は32のままで新潟に並ばれ、順位は暫定ながらひとつ下げて14位に。あす2日、浦和がG大阪に勝てば15位後退となる。鈴木淳監督は「重要な試合に敗戦してがっかりしています」と肩を落とした。

 誤算があった。4-5-1のトップ下で先発予定だったU-22日本代表MF東慶悟が急な発熱のため、ベンチを外れた。代わりにベテランの元日本代表MF藤本主税が先発した。藤本は奮闘し、ゴール前に積極的に顔を出した。前半6分にはスルーパスに抜け出し、右足でシュートを決めた。オフサイドの判定となったが、まずまずのプレーを見せた。しかし、公式記録上ではシュートが0。ゴールに絡むことが出来ず「監督の期待に応えられずに悔しい」とうつむいた。

 ゴール前までボールを運び、それなりにチャンスも作り出したが、公式戦3試合ぶりの無失点となった。2得点した福岡よりも4本多い14本を打っただけに、決定力を欠いたことが悔やまれる。鈴木監督は「東は(3-1勝利した前節9月25日の)柏戦で起点になって、飛び出しとか、いいアクセントになっていた。同じ感じでいきたかったけど、いないものはしょうがない」とキーマンの不在を嘆いた。

 ただ敗戦理由は、東だけではない。藤本は「球際や1対1とかで負けていた。スライディングも相手のほうが多かったと思う。メンタルの面の差です」とチーム全体として、精神面で福岡に劣っていたことが敗因だと分析した。

 前節に柏を3-1で下していただけに、本当に悔やまれる黒星。ただ、メンバーは違うとはいえ、9月28日のナビスコ杯・浦和戦に1-2で完敗しており、“いい流れ”が途絶えていた可能性はある。指揮官は「温存ではない。浦和戦はコンディションのいい選手を出した」とこの日も明かしたが……。中断明けの次節15日には浦和戦が待つ。まさに埼玉ダービーは残留に向けた大一番となる。

[写真]敗戦に肩を落とす大宮イレブン

(取材・文 近藤安弘)

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