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柏が1-0で山形を下し、9試合ぶりに首位浮上!

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[10.16 J1第29節 柏1-0山形 柏]

 J1第29節の2日目は16日に2試合が行われ、日立柏サッカー場では前節2位の柏レイソルと同17位のモンテディオ山形が対戦した。柏にとっては、勝てばG大阪を抜いて首位に再浮上するという大事な一戦だったが、MFジョルジ・ワグネルのPK弾を守り切って1-0勝利。8月6日の第20節・横浜FM戦(2-0)以来、9試合ぶりに首位に立った。山形は4試合連続で白星から見放され、J1残留が厳しい状況となった。

 柏は司令塔のレアンドロ・ドミンゲスが出場停止だった。システムは4-4-2でGKは菅野孝憲、DFラインは右から酒井宏樹、増嶋竜也、近藤直也、橋本和。ダブルボランチは大谷秀和と栗澤僚一が組み、2列目は右に澤昌克、左にジョルジ・ワグネルが入った。2トップは工藤壮人と北嶋秀朗が組んだ。

 対する山形はDF石川竜也とFW山崎雅人がベンチを外れた。またMF下村東美が出場停止だった。システムは4-4-2でGKは清水健太、DFラインは右から小林亮、前田和哉、石井秀典、山田拓巳。ダブルボランチは船山祐二と佐藤健太郎が組み、2列目は右に太田徹郎、左に宮沢克行が入った。2トップは伊東俊と長谷川悠が組んだ。

 序盤、共に守備が堅くバイタルエリアを攻略できない時間が続く。柏は横パスをつなぎながら穴を探し、山形は長谷川やサイドへの長いパスで糸口を見つけようとした。前半5分、柏は栗澤がミドルシュートでゴールを狙うが、GK清水にセーブされた。

 10分を過ぎると、山形のロングボールと伊東のスピードが効いてくる。前半15分、伊東がドリブルから船山につなぎスルーパス。長谷川が走り込んだが、これはわずかに合わなかった。同20分には山田の速いクロスに伊東がゴール前に走り込みヘディングシュート。あまり力がなくGK菅野にセーブされたが、怖さを発揮した。同29分には小林の右クロスに長谷川がヘディングシュート。決められなかったが、武器を見せ付けた。

 五分五分の展開を見せていたが、前半33分に柏が先制に成功した。同31分にCKの競り合いでファールをもらいPKを獲得。キッカーを務めたのはジョルジ・ワグネルで、左利きの名手はGK清水の逆を取り、きっちりと左上に決めた。しかし、柏選手が蹴る前にPA内に入ったとしてやり直しに。再びキッカーはワグネル。助っ人は動揺することなく、ゴール左に決めて1-0のリードをもたらした。前半はそのままのスコアで折り返した。

 後半、共にメンバー変更なくスタートした。後半も柏が持ち味のパスワークを発揮するが、山形はブロックを作って対応。一進一退の攻防が続いた。山形は後半13分、小林に代えてDF園田拓也を投入。そのまま右SBに入れ、柏の攻撃の起点の一つになっていたワグネル封じを試みた。

 山形は後半17分、左サイドで得たFKのチャンスで、太田が直接シュート。これは惜しくもサイドネットを突いてしまった。直後、山形は選手交代。宮沢に代えてMF宮崎光平を入れ、太田を左MFへ回し、宮崎を右MFに据えた。

 柏はこの時間帯、運動量が落ち、思うような攻撃が仕掛けられなかった。そんな中、後半24分、一気に2選手を入れ替えた。澤に代えてMF茨田陽生を、北嶋に代えてFW田中順也を入れた。すると直後、茨田が右サイドをドリブルで仕掛けて工藤にラストパス。工藤のシュートはブロックされたが、茨田が気合を見せた。

 山形はハイボールを多用して攻めるが、なかなか好機を作れない。後半35分、最後の交代カードを切った。山田に代えてDF中野圭を投入し、そのまま左SBに据えた。このサイドをやや仕掛けられていたこともあり、もう一度、持ち味の堅い守備からの攻撃を目指した。

 柏は後半41分、工藤に代えてMF水野晃樹を投入。システムを4-2-3-1に変え、水野はトップ下の位置に入った。1トップは田中が務めた。終盤、運動量に勝る山形がセカンドボールを拾い、徹底したロングボールでゴールを狙ってきたが、近藤&増嶋のCBコンビがきっちりと跳ね返し、逃げ切りに成功。柏が1-0で2連勝し、8月6日の第20節・横浜FM戦(2-0)後以来となる9節ぶりの首位に浮上した。

(取材・文 近藤安弘)

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