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山形は主導権握る時間帯もありながら、ゴールが奪えず。「やり続けるしかない」

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[10.16 J1第29節 柏1-0山形 柏]

 痛い敗戦だ。モンテディオ山形は前半33分にCKの守りの際にファールでPKを献上し、柏に0-1で敗戦。リーグ戦4試合連続で白星から見放され、勝ち点は21のままと伸ばせず。J1残留圏内の15位・甲府に勝ち点9差となった。内容は悪くなかった。柏より3本多い7本のシュートを放つなど、主導権を握る時間もあっただけに悔やまれる。

「いい入り方ができたけど、うまくゴールが取れなかった。PK以外は、大きなピンチはなかった。PKはもったいなかった……」

 FW長谷川悠は悔しそうな表情で振り返った。山形はいつも通りまずは守備を固め、そこからのカウンターでゴールを狙った。それがうまくはまり、惜しい場面を作った。前半33分にPKで失点したが、前半のシュート数は柏より2本多い6本と見せ場もあった。特に長谷川がオトリとなり、その回りを動いたMF伊東俊が持ち味のスピードとドリブルで怖さを発揮しただけに、PKでの失点が悔やまれる。

 主将のMF宮沢克行も「前半はチャンスが作れていた。自分たちの時間もずいぶん作れた。でも、PKで取られてから、そこから盛り返すことができなかった。力不足です」と肩を落とした。MF佐藤健太郎も「失点の場面はちょっと残念。最後まで戦う姿勢を見せたが、最後のちょっとしたパスの精度やクロスの精度をもう少し突き詰めていかないといけない」と悔しがった。

 後半、シュートは柏の0に対し、山形は1本だった。セカンドボールを拾い、主導権を握る場面もあっただけに、バイタルエリアを仕掛けられなかったことは残念だ。長谷川は「早い時間に、足をつらせる選手がいた。それをチームとしてしっかりやっていかないといけない」と明かしたが、小林伸二監督によると、DF山田拓巳と伊東が足をつらせたという。これに加え、DF小林亮が負傷交代したこともあり、交代策で後手を踏んだようだ。

 この日は気温27.5度(公式記録上)と山形の選手には厳しい気候条件だった。柏の選手もDF増嶋竜也らが足をつらせており、不運といえる部分かもしれない。小林監督は「気候的には今日は29度から30度あって、思ったよりも汗が出た。それはわかっているので、水を飲めということと、積極的にやった部分とコントロールというか、スピードアップして上がるべきなのか、ステイなのかという判断も少し必要だったかもしれません」とこぼした。

 いずれにせよ、自分たちのスタイルを上手く表現しながらも、勝利がつかめないのが今の山形。悪い内容ではないだけに、逆に苦しい状況と言えるかもしれない。佐藤は「やることと、やれることは変わらない。やり続けるしかない」という。他の選手もみな「これを続けていくしかない」と前を向こうと必死だった。

 次節22日は再び強敵のG大阪を迎える。宮沢は「まだ終わっていない。上を目指して準備するだけです」と声を振り絞った。佐藤は「しっかり準備して、チーム一丸で戦いたい」。この試合は山形のホームで“山形県民応援デー”と題して、スタジアムを満員にする計画だ。一部チケットは1000円引きで、これまで以上にファンが集まる可能性が高い。県民の熱い声援を力に変え、番狂わせを目指す。

[写真]敗戦に肩を落とす山形イレブン

(取材・文 近藤安弘)

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