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連勝記録ストップも仙台、前向きドロー

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[10.22 J1第30節 仙台0-0川崎F ユアスタ]

 クラブ記録となるJ1・6連勝中だった5位・ベガルタ仙台はホームで川崎フロンターレとスコアレスドロー。連勝記録を7へ伸ばすことはできなかったが、この日敗れた4位・横浜F・マリノスとの勝ち点差を1へ詰めた。

 仙台は累積警告による出場停止のために前節・福岡戦を欠場していたチーム得点王のFW赤嶺真吾が先発復帰。一方で北朝鮮代表MF梁勇基をベンチスタートさせ、福岡戦で2ゴールを決めたMF松下年宏を2試合連続で先発としてピッチへ送り出す。

 前半12分にはその松下の右足FKが鋭くゴールを捉え、32分にはPAで左クロスのクリアボールを拾った赤嶺が強烈な左足シュート。そのこぼれ球からFW柳沢敦がシュートにまで持ち込む。

 チャンスをつくった一方、この日は前後半ともに攻撃力で上回る川崎Fに押し込まれる展開となった。それでもカウンターから川崎FのMF中村憲剛に放たれた決定的な左足シュートを、懸命に戻ったMF富田晋伍がスライディングでゴールの外へはじき出すビッグプレー。MF田坂祐介の直接FKがクロスバーを叩く幸運もあり失点しなかった仙台は、後半9分にFW太田吉彰、同21分には梁勇基を投入して攻勢に出る。得点することはできなかったものの、梁勇基の左クロスをSB菅井直樹が頭で合わせる場面もつくるなど最後までゴールを狙い続けた。

 赤嶺が不在で梁勇基もベンチスタートだった前節、福岡を3-0で破るなど主力のコンディション不良や出場停止の中でもチーム一丸で白星を積み重ねてきた。この日連勝はストップしてしまったものの、強豪の川崎Fから勝ち点1を得た仙台イレブンは前向きだ。残り4試合で5位という順位にいる要因について手倉森誠監督は「もっともっとサッカーで東北を元気付けようという思いひとつでやっているからだと思う」と試合後のインタビューで語っていた。

 一昨年までの6年間をJ2で過ごし、J1復帰した昨年は14位。それを大きく上回る上位でシーズン最終盤を迎えようとしている。ただ決して満足することはない。震災の影響で苦しむ東北に少しでも元気と勇気を与えるため、ACL出場権獲得、そしてそれ以上の成績で地域を盛り上げるという使命感を持って戦っている。

 仙台によると指揮官は「(柏などが勝利し)トップが行っちゃったな、と思っています。(でも)ひとつ上が足踏みしてくれたことは非常に良かったと思っています。天皇杯も含めれば4位以内にはACLという可能性もふくらむと思っていますし、ずっと5位にいる節が続いていますけれど、最後の最後に5から4、3、と数字が少しでも減っていければいいと思っていますので、詰め寄れたというところで、じりじりいくのも仙台らしいかなと思っています」。連勝記録こそストップした仙台だが、「思いひとつに」戦い続けて、最後に大きなプレゼントを仙台、そして東北へもたらす。

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