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大津が劇的ロスタイム弾、柏が"裏天王山"制し初勝利

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[4.29 J1第8節 柏2-1大分 柏]

 J1第8節は29日、9試合を行い、日立柏サッカー場では17位の柏レイソルと18位の大分トリニータが対戦。大分は前半38分にDF森重真人のゴールで先制したが、柏は後半36分に途中出場のFW北嶋秀朗が同点ゴールを決めると、後半ロスタイムには同じく途中出場のFW大津祐樹が逆転弾。2-1で今季リーグ戦8戦目で待望の初勝利を挙げた。最下位の大分は泥沼の5連敗となった。

 柏は4-4-2のシステムで、GK菅野孝憲、4バックは右から小林祐三、古賀正紘、近藤直也、石川直樹と並んだ。中盤は山根巌と杉山浩太がダブルボランチを組み、右に栗澤僚一、左に菅沼実。2トップは李忠成とポポだった。
 大分は4-4-2にシステムを変更した。GK西川周作、4バックは右から高橋大輔、上本大海、森重真人、小林宏之。MFエジミウソンが出場停止、MFホベルトが負傷離脱中の中盤は藤田義明と西山哲平がダブルボランチを組み、右に金崎夢生、左に鈴木慎吾が入り、森島康仁とウェズレイが2トップを組んだ。

 試合は互いにミスが目立つ展開となった。前半10分、柏は森島のパスミスを奪った栗澤が前線の李へ。李は細かいステップで上本をかわしたが、森重のカバーに遭い、シュートを打てなかった。大分も前半11分、相手のクリアミスからウェズレイがゴール前に抜け出したが、DFが体を張ってなんとかCKに逃れた。

 柏は徐々にボール支配率を高めるが、ゴール前の守りを固める大分を攻めあぐねた。ボランチの杉山からの正確なロングフィードでチャンスをつくる場面もあったが、遅攻になると手詰まり感があった。前半18分にはポポが直接FKから無回転シュートでゴールを襲い、GKのはじいたボールに菅沼がつめるも、シュートは弱くなり、GKにキャッチされた。

 大分は前線の森島を狙ったロングボールが多かったが、中盤とDFラインが引いているため森島が孤立し、攻撃に厚みが出ない。森島もポストプレーでミスが目立ち、リズムが生まれなかった。

 それでも大分がセットプレーから先制に成功する。前半38分、右サイドからの鈴木のFKを森重が頭でそらし、ゴールネットを揺らした。互いに拙攻が目立った前半は、劣勢の大分がセットプレーのチャンスを生かしてリードを奪い、前半を折り返した。

 柏はハーフタイムにポポと杉山を下げ、大津祐樹と藏川洋平を投入。大津が中盤の左、藏川が右に入って栗澤がボランチへ移り、李と菅沼の2トップに変更した。

 後半も柏がボールを支配し、大分がカウンターを狙う展開が続いた。柏は後半7分、大津が左サイドから中に切れ込み右足でシュート。DFに当たったこぼれ球を栗澤が狙ったが、これも大分DFが体を張って防いだ。

 早めに同点に追い付きたい柏は両サイドバックも積極的にオーバーラップし、サイドで数的優位をつくりながら大分を押し込む。後半から左サイドに入った大津もアクセントになり、得点の匂いが出てきた。

 後半26分には石川に代えて北嶋秀朗を投入。李が右サイドに回って北嶋と菅沼を前線に並べ、攻撃の目先を変えてゴールを狙うと、後半36分、ついに柏の執念が実る。左サイドに流れていた藏川の右足クロスを北嶋がヘディングで流し込み、同点弾。残り9分で試合を振り出しに戻した。

 同点ゴールで勢いに乗る柏はさらに猛攻に出る。後半42分の山根のシュートはGK正面に飛んだが、後半ロスタイム、栗澤の左CKに飛び込んだ大津が豪快なヘディングシュートを叩き込み2-1。柏が劇的な逆転勝利で今季リーグ戦初勝利を挙げた。

<写真>決勝ゴールの大津祐樹(右)が菅沼実と抱き合う

(取材・文 西山紘平)

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