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Jを目指せ! by 木次成夫

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第185回「JFL合同セレクション」
by 木次成夫

1月16日、JFL合同セレクションが開催されました。前日の15日には、松本山雅FCが隣接したグラウンドで独自のセレクションをしたため、「2日連続の参加」という選手も――。参加費は、いずれも1人1万円ですから、遠隔地から参加した選手にとっては、相当の出費です。

以下、セレクションを主催、運営したNPO法人かえるポーツクラブが当日、開始前に配布した取材要項より。


開催日時:2010年1月16日(土)【1部】9:45~13:00
【2部】13:30~16:45
開催場所:ウェーブスタジアム刈谷
内容:15分ハーフのゲーム形式(11人制)
参加者数:168名(1部・74名、2部・94名)
【参加者カテゴリー】
Jリーグ・JFL・地域リーグ・都道府県リーグ・大学リーグ・海外リーグ・高校生・専門学校・他(2009年所属チーム)

スカウト:JFL・ガイナーレ鳥取・MIOびわこ草津・流通経済大学・松本山雅FC・ツエーゲン金沢 
他・福島ユナイテッドFC・JAPANサッカーカレッジ・AC長野パルセイロ・FC刈谷、アイン食品・アミティエスポーツクラブ・徳島ヴォルティスセカンド・カマタマーレ讃岐・デッツォーラ島根・アンソメット岩手八幡平・FC大阪・アビラーション(計17チーム)


選手もスカウト側も欠席者がいましたし、リリースに掲載されていないクラブ関係者も参加していました。通訳を介して受付に臨む韓国人選手の集団も――。V・長崎セレクションに続く、プチ“韓流ブーム”には、ビックリです。

[こんな試合(コンビ)を、他の状況で見たかった]
さながら「オールスター」を見る際のような期待感を抱いて見た「試合」も、ありました。ちなみに、このセレクションは一般ファンの観戦可、かつ、無料。いっそのこと、有料試合にして事前PRをすれば、各地からファンが訪れ、その収益を選手の参加料に還元できるのではないか、と思ったほど。馴染みの選手に「感謝の言葉」を掛けたいファンは、多数いるでしょうし――。

例えば、とある「11人」には、
右SB:市村瞬(ギラヴァンツ北九州=前・ニューウェーブ北九州)
CB:ドゥグラス(ギラヴァンツ)
CB:中川勇人(町田ゼルビア)
左MF:吉田智尚(ゼルビア)
FW:田中翔太(アルテ高崎)

“高さ”のドゥグラスと“巧さと強さ”の中川。2人のコンビネーションは、どこかのチームが「セットで獲得してくれないか」と思ったほど、見応えがありました。

別の「11人」には、
ボランチ中原浩介(カマタマーレ讃岐←ジェフ千葉)
ボランチ中島健太(横河武蔵野)
FW栗山裕貴(松本山雅)
FW岩舘侑哉(カマタマーレ讃岐、元・水戸)

抜群の展開力を誇る中原、バランス感覚に長けた中島、パワフルな岩舘、小気味良い動きが魅力のレフティ栗山――。そして、その対戦相手には、

左SB石川航平(松本山雅)
右MF田谷高浩(SAGAWA SHIGA)
ボランチ秋田政輝(ツエーゲン金沢)
ボランチ岡本竜之介(カマタマーレ)
右MF森本惟人(ギラヴァンツ)
FW広庭輝(ツエーゲン)

[プレイバック07年“地域決勝”]
決勝ラウンド2日目を最下位で終えたニューウェーブ北九州(現・ギラヴァンツ北九州)は3戦目でバンディオンセ神戸(現・加古川)と対戦。ドゥグラスと森本の得点で、2対0の勝利。最終結果は1位=ファジアーノ岡山、2位=NW、3位=MIOびわこ草津、4位=バンディ。

[アマチュア経験者の魅力]
JFLにせよ地域リーグにせよ、Jリーグよりも様々な面で恵まれない環境下で選手たちが“いかに”シーズンを通して頑張れるかが重要な要素だと思います。つまり、昨季までJリーガーだった選手以上に、「JFL以下のチームに貢献した実績のある」アマチュアは、即戦力になるかもしれないということ。例えば、ツエーゲンの広庭と秋田。住み慣れた地で頑張れたのは、サッカーの能力とは別に、コンディション維持、生活管理などで際立った能力がある証だと思います。また、2人に限らず、JFL以下の現実を熟知している上で、JFLセレクションに参加したということは、過大な期待は、していないということ。

Jリーグ参入後を見越して、下部組織の指導者幹部候補としても、最適だと思います。落ちこぼれ経験のある人が「良い先生」であるのと同様に――。

[ゼルビアCB中川勇人の動向]
中川勇人(26歳、神奈川県出身、堀越高校→神奈川大学→ゼルビア所属4シーズン)。昨季は、ゼルビアのレギュラーとして活躍したものの、なぜか、契約満了。すべての「Jを目指すクラブ」にとって、絶好のCBに“なりえる”逸材ですが、「不動産会社社員とサッカーの両立」だったので、人生の岐路かもしれないとも思っていました。

「山雅のセレクションにも参加しました。(ゼルビアの戦力外になった後)いろいろ考えた結果、サッカーを続けることに決めて、会社は辞めました。まだ、どうなるかわかりませんが、複数のクラブから声を掛けてもらっています」(中川)。

ということは、争奪戦の最中? 
山雅と言えば、主力の坂本史生(アマチュア)が自主退団したこともあり、CB層は手薄。是非、「3年契約。途中で戦力外通告した際は下部組織の指導者就任オプション付き」くらいの条件提示をしてほしいものです。東京都2部所属時のゼルビアにセレクションを経て加入し、JFL随一のDFに成長した実績は「再チャレンジの手本」と言っても過言では、ありません。

[頑張れ、デッツォーラ島根]
07年には全国地域リーグ決勝大会に出場(当時の名称はセントラル中国)しながら、昨季は中国リーグ6位に低迷したクラブです。スカウトに訪れたということは、“やる気”の証。
是非、相対的に活気がない中国リーグを盛り上げてほしいです。

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