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高校日本一・山梨学院碓井主将「ムヨクの挑戦者」

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第3回「文句を言わないルール」

新チーム結成から選手権までの1年間かけて、自分たちはクリーンなチームになったと思います。

自分たちが決めていたことは、味方に対しても、相手に対しても、そしてレフリーに対しても「文句を言わないルール」。意味のないクレームとかナマイキな発言はしない、ということを徹底していました。

夏まではそれができていなかった。周りから見ると感じの悪い部分があったかもしれません。以前は判定に納得できず、試合後に全員でレフリーに抗議したようなこともありました。気持ちが弱かった。そしてチームの成績も出なかった。

でも意識を変えて臨んだ選手権では、精神面でもプレーの面でも相手に勝つという、強いチームになっていた。「クソっ」て思うことはあったとしても、文句を言わない(ほんの少し言っていたかもしれませんが・・・・・・)。けなし合いみたいな喧嘩もしない。自分たちにそう言い聞かせると、冷静にプレーできるんです。失敗をしてもすぐに切り替えることができていたし、イライラしなかった。気持ちの余裕がチームにいい影響を与えていたと思います。

選手権の山梨県大会では(加部)未蘭がオーバーヘッドで決めた同点ゴールがファウルの判定で取り消された場面がありました。みんなアツクなりかけたけど、すぐ覚めてボールを追いかけていた。リードされていたけど、自分はこの瞬間に「勝てる」と。3-1で勝って初出場を決めた試合では、よいプレーができたということよりも、冷静に試合することができたことが最大の勝因だったと感じています。全国大会でもこの部分は崩れなかった。

チームの声が出始めたのもクリーンになってきたころと重なります。あまりしゃべらなかったチームが変わった。それまではみんな黙々とやっていたけど、選手権ではみんな声を出し続けていた。中田(寛人)なんか常にすごく声を出してくれていたし。ハーフタイムにはFWはFWで、MFはMFでそれぞれ注文し合っていた。この輪に入らなかったり、言いづらそうにしているヤツはいなかった。

相手の一番弱いところをどう突くのか、自分たちがいいプレーをするためにはどうすればいいのか。そればかりを考えるチームに変わることができました。ムダを省いて、勝ちたいという気持ちの強いチームになれたこと。これが自分たちが勝つことができた大きな要因かもしれません。


※山梨学院の碓井選手、DF中田寛人選手、MF平塚拓真選手、そしてDF関篤志選手が2月27日に国立競技場で開催される富士ゼロックススーパー杯の前に行われるフレンドリーマッチ「U-18Jリーグ選抜対日本高校選抜」と3月7日の「静岡ヤングサッカーフェスティバル」に出場する日本高校選抜チームメンバー入りを果たしました。


※本コラムは不定期更新です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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