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蹴れるって素晴らしい by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

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CLインテル対バルサ
by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

気温の安定しない日が続いているので、すっかり風邪気味が抜けない中、深夜のCLだけはしっかりと見させて頂きました。すでに皆さんも知っている通り、決勝のカードはバイエルン(ドイツ)とインテル(イタリア)に決まりました。

準決勝で見せてくれたインテルvsバルサは色んな意味で歴史に残る勝負だったと思う。
まずは第一戦をインテルのホームで開催したわけですが、バルサのパスワークを封じる為にピッチに水をまかなかった(水まくと球足が早くなるのでショートパスを早く繋ぎたいほうには有利になる。その分トラップなども難しくなるので高い技術が必要とされると一般的には言われています)とか審判がインテル寄りだったとか、バルサの選手達もマスコミ相手に若干取り乱している様子が伝わって来ましたが、試合が近づくにつれ、落ち着いてバルサらしい王者としてのコメントが増えてきました。

一方でインテルのモウリーニョ監督も挑発が大変うまくて、「次は好きなだけ水をまけば?」や「負け方を知らないから取り乱すんだ」とかあげればキリがないと言った感じであおってましたね。
文化や規模の違いでしょうけど、一週間の間でこれだけ選手や監督のコメントが見られるのはうらやましく思ったりします。Jリーグの監督ももっと相手を意識したコメントを出して欲しいと若干思います。現在だとマリノスの木村監督なんかは非常に面白い事を言ってくれてます。例えば湘南戦のときは「うちとはもう2度と試合したくないと思わせてやろうと思った」など、日本的にはそれ言っちゃって大丈夫ですか?と思わず心配してしまいました。
日本の美学として相手よりもまず自分たちのことをしっかりやるといったことがあると思うのですが、相手を見て戦い方を思いっきり変えるのも凄いことなんだなあと思わされたのが、このCLの2ndレグ。

1stレグを3-1で落としているバルサは2-0か3点差以上の勝利(4-1とか5-2とか)が必須。
つまりインテルは負けなければ決勝まで行ける状況ということもあり、リスクを抑えた戦いを展開するだろうというのが大方の見方でしたが、前半早々に一人退場者を出してしまったインテルはもうリスクを抑えるどころではなく、完全に亀のようになってしまった。全員で守りとにかくクリア。
その展開を、最初は見ていてイタリア王者なのに情けないと思ってしまったんですが、時間が経つにつれ選手たちの集中したプレイに圧倒されている自分がいましたね。守備の選手ではないエトーが自陣深くでしっかり足を出しワンプレーすら簡単にさせないといった気合に魅せられてしまいました。

結果としては1点を奪われるも、最後までギリギリのところで踏ん張ったインテルが決勝のチケットを入手したわけですが、本当に「勝ちたい」という執念は見ている人に届くと教えてくれた。
前回のコラムで触れましたが、いまの日本代表に足りない部分はこういったところなんだろうと改めて思う。この日のインテルにはそれがあった(ぶっちゃけ僕は思いっきりバルサ派)。

技術の部分を精神が超えた試合だったと思うと同時に、日本もW杯の本番であそこまで気持ちを出して闘うことが出来れば世界にサプライズを届けられるんじゃないかなぁと期待してしまいましたね。

最近はW杯が近づいて来て楽しみと感じるよりも、こういったかなり強引なこじつけ的なことでもポジティブに思えることを探してしまっている自分がいるのは切ないですが、それでも僕は言おう。

「頑張れ日本とにかく応援します」

※本コラムは隔週金曜更新予定です。感想はこちらまでお寄せください。

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