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SAMURAI密着日記

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アフリカ開催の意義って

[6月6日22時@ジョージ]
 ほんの少し、目がウルッと来てしまいました。
 6月6日、ジョージ空港。日本代表の到着を待つジョージ市民の歓迎ぶりは、これぞまさにアフリカでした。

 黒人の子どもたちが、独特のリズムで体を揺すりながら、ブブゼラを鳴らしています。大音響は確かにうるさい。けれどもあの笑顔を見れば、世知辛い日本人のしかめっ面など、すぐさま吹き飛ばされてしまいます。
 すると次は、遠くからアカペラの澄んだ歌声が近づいてくるではありませんか。

 これは正真正銘のゴスペルでした。地元のキリスト教団体の約30人が、日本代表を歓迎するおそろいのTシャツを着て、空港内を練り歩きながら歌っていたのでした。アフリカの人々には、よさこいソーラン祭りも目じゃない、ナチュラルなパワーがあります。

 実は、なぜこんな危険な国でやるんだとブラッターを恨んだことがあります。けれども、目の前であの嬉しそうな姿を見せつけられると、アフリカで開催することの意義……を感じないわけにはいかないでしょう。

 そうこうするうちに、ようやく日本代表が到着しました。予定より3時間ほど遅れた、午後2時40分ごろの到着でした。
 それでも、です。午前10時ごろからずっと待っていたジョージの人々は、疲れた顔を見せるどころか、誰も彼もがワーイワーイと大喜びなのです。

 だから、残念でした。岡田ジャパンご一行様には、疲労を前面に押し出した顔つきの選手が大勢いらっしゃいました。セレモニーらしいことはなく、しかも、チャーター機を降りてから、専用バスに乗って空港を後にするのに要した時間はわずか5、6分。何という早業……。

 日本代表は海外遠征に行く先々で、決してフレンドリーではありません。もとより国内ではまったくフレンドリーではありません。これでいいのか。samuraiたちには愛される義務があるのではないか。いろいろと考えてしまいます。
(文・矢内由美子)

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