ラグビーのカタキをサッカーで返した
[6月14日23時@ブルームフォンテーン]
南ア、ブルームフォンテーンと聞いて、ひそかにピンと来ていた人もいるのではないでしょうか。
日本対カメルーン戦が行なわれたブルームフォンテーンのフリーステート・スタジアムは、1995年6月4日、日本が記録的な大敗を喫した場所でした。
そうです。ラグビーワールドカップです。日本がニュージーランドに、当時の大会史上最多失点となる17-145の記録的大差で敗れた試合です。
それまでの同大会での最多失点は89失点でしたから、いかに日本が大量失点だったのかが分かります。
それにしてもニュージーランドは強かったです。前半開始直後に先制トライを奪うと、その後も日本の防御を軽々と破って、数分おきにトライを重ねていました。ロム―はまさに驚異でした。
日本は相手が緩んだ後半に2トライを奪うのがやっと。この試合については、今年公開された映画『インビクタス』でもチラリと出てきましたね。スコアが大写しになって、失笑が漏れたあの場面です。
このように、実は日本にとって験の悪いこのスタジアム。ですから、岡田ジャパンが1-0で勝利を収めたことは、15年前の雪辱でもありました。
決勝点を入れたのは前日6月13日に24歳の誕生日を迎えた本田圭佑。1トップという、生粋のFWでさえ難しいポジションで、本当によく決めてくれました。
アウエーでの歴史的初勝利を挙げた日本代表は、試合終了から3時間後には機上の人となり、ベースキャンプ地のジョージへ帰って行きました。
お疲れ様! きょうはゆっくり眠ってください。
(文・矢内由美子)