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南アフリカW杯便り

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オランダ戦の"秘策"?

[6月19日午前1時@ダーバン]

 18日は午前中の飛行機でヨハネスブルクからダーバンに移動し、オランダ戦に臨む日本代表の前日練習を取材しました。14日のカメルーン戦で自国開催以外のW杯では初めての勝ち点3を手にした岡田ジャパン。日本ではオランダ戦に向けて大変盛り上がっているということで、是非その勢いを加速させるような試合をしてもらいたいと思っています。

 もちろん、簡単な試合にはならないでしょう。オランダはカメルーンと比べれば、数段上。昨年9月の対戦でも0-3で完敗を喫しています。開幕前のチーム状態であれば、とても勝算は望めませんでしたが、チームはカメルーン戦に勝ったことで雰囲気も格段良くなり、監督も選手も自信を取り戻している様子が伝わってきました。あとはそれが過信や慢心につらがらないことを祈るだけです。

 今日の練習では全体練習後、本田圭佑、中村俊輔、遠藤保仁の3人が居残りでFK練習を行っていました。本田は得意のブレ球FKで次々とGKを脅かし、現状は控えの俊輔も正確なキックで何度もゴールネットを揺らしていました。

 12日の本コラム「W杯公式球は本当に"GK泣かせ"か」でも書きましたが、今回のW杯公式球「ジャブラニ」はGKだけでなく、セットプレーやミドルシュート、さらにはセンタリングまで、キックの精度に大きく影響を与えている印象が拭えません。

 軽量化して開発されたジャブラニはボールの軌道が変化しやすく、ブレ球になりやすいということですが、空気の薄い高地での試合が多いこともあって、空気抵抗が少なすぎるためにキックが浮いたり、クロスも味方選手を越えていったりするシーンが非常に目立ちます。

 これまでヨハネスブルクのサッカーシティやエリスパーク、日本対カメルーン戦が行われたブルームフォンテーンなど高地での試合の取材が多かったんですが、インド洋沿いのダーバンは標高0m。低地だからこそ、FK練習でもボールがよく落ちて、キックの精度も高かったのではないかと思ったのです。

 オランダ戦は少ないチャンスをいかにものにできるかどうかが鍵を握っています。セットプレーが重要なポイントとなるのは間違いありません。オランダはベースキャンプを高地のヨハネスブルクで行っていますが、日本は低地のジョージ。そうした“慣れ”という意味では、日本に分があるかもしれません。

(文 西山紘平)

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