beacon

南アフリカW杯便り

このエントリーをはてなブックマークに追加

本田の"ビッグマウス"はいつ戻る?

[6月20日午前1時@ダーバン]

 オランダとのグループリーグ第2戦、日本は0-1で惜しくも敗れました。とはいえ、川島永嗣の2度の好セーブで最少失点に食い止めたことには大きな意味がありました。

 日本戦のあとに行われたデンマーク対カメルーンは2-1でデンマークが勝ちましたが、1点差勝利にとどまったことで、日本は24日のデンマーク戦で引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まります。

 日本か、デンマークか。引き分けでもいい日本と、勝たなければならないデンマークのガチンコ勝負。今から24日が楽しみです。

 ところで、僕ら取材記者は試合が終わると、選手が通るミックスゾーンに移動します。そこで試合を終えたばかりの選手を取材するわけですが、オランダ戦後のミックスゾーンでは本田圭佑の話を聞くことができませんでした。

 ミックスゾーンに姿は見せたものの、記者の呼びかけに応じず、そのまま通り抜けてしまったのです。新聞や雑誌などのいわゆる「ペン記者」(ゲキサカの記者もそこに含まれます)の取材ゾーンを通ったあとには、テレビ局の取材ゾーンがあります。本田はそこでは立ち止まり、取材に応じていました。

 なので、日本でスポーツニュースなどを見ている人は、試合後の本田のコメントを映像とともに見ることができたと思います。しかし、僕は今日、彼の声を聞いていません。ゲキサカの選手コメントに本田のコメントがなかったのはそのためです(新聞記者の中にはテレビ局の取材ゾーンに入ってコメントを聞いていた人もいたので新聞には載っているかもしれません)。

 本田のこうした傾向は、5月21日に国内合宿が始まったときから見られました。同24日の韓国戦前にはテレビ取材に対し「試合前はどこかで自分をコントロールしないといけない。自分のメンタルの中で、しゃべりすぎている自分がいる。それだと自分のことができない場合がある」と答え、試合に向けた“調整”の一環として取材に応じるのを極力減らしたい考えを明らかにしていました。

 実際、その後も試合前になると、いつも口数は減りました。それでも、試合後は必ずペン記者の取材にも応じていたので、この日のノーコメントには少々驚きました。

 いまや日本の中心選手として注目度も高まり、いろんなプレッシャーもあるのでしょう。責任感の表れなのかもしれません。それでも、記者のひとりとして本田の“ビッグマウス”を聞きたいという思いはあります。24日のデンマーク戦。日本がグループリーグ突破を決めたあとに本田がどんなことを話すのか。今はそれを楽しみにしています。

(文 西山紘平)

TOP