記録尽くめの大会、最後を飾るのは…
[7月11日午前3時@ヨハネスブルク]
W杯南アフリカ大会は明日11日、いよいよ最終日を迎えます。現地時間午後6時半(日本時間12日午前1時半)から閉会セレモニーが行われ、午後8時半(同12日午前3時半)、オランダ対スペインの決勝がキックオフされます。64試合、31日間に及んだ祭典もついにフィナーレを迎えます。
19回目にして初めてアフリカ大陸で開催された今回のW杯では、さまざまな記録が生まれました。史上初となる開催国(南アフリカ)のグループリーグ敗退。前回優勝国(イタリア)と準優勝国(フランス)がそろって1勝もできずにグループリーグで姿を消したのも初めてでした。スロベニアがW杯初勝利を飾り、ギリシャも初得点&初勝利を記録。スイスはイタリアの持っていた無失点時間記録を更新しました。スロバキアが初出場でグループリーグを突破し、ガーナとパラグアイは初のベスト8進出。そして、スペインが初の決勝進出を果たしました。
日本も自国開催以外では初勝利、初のグループリーグ突破を達成。西村雄一主審、相樂亨副審も日本人審判として初めてW杯で4試合を担当し、第4の審判員、リザーブ副審として日本人で初めてW杯決勝の舞台に臨みます。
そんな記録尽くめの大会にふさわしい決勝戦のカードとなりました。オランダ対スペイン。どちらが勝っても、初優勝です。しかも、欧州のチームが欧州以外の大陸で優勝するのも史上初になります。
W杯で優勝経験のある7ヵ国(ウルグアイ、イタリア、西ドイツ、ブラジル、イングランド、アルゼンチン、フランス)のうち、西ドイツとブラジルを除く5ヵ国はすべて自国開催のW杯で初優勝を飾りました。オランダにせよ、スペインにせよ、開催国ではないチームが初優勝を達成するのは、1958年のスウェーデン大会で初優勝したブラジル以来、実に52年ぶりの快挙になります。それだけW杯で優勝するというのは難しいことなのです。
新たな歴史の誕生は目の前です。オランダか、スペインか。史上8ヵ国目の優勝国が決まる瞬間を、この目でしっかりと見てきます。
(文 西山紘平)