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蹴れるって素晴らしい by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

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フィンケ監督と二つの移籍
by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

W杯中にさりげなく出た移籍のニュースで驚いた物が二つほどありました。

二つとも浦和関連なのですが一つがGK都築龍太選手の湘南へのレンタルと、高原直泰選手への戦力外通告です。

高原選手についてはようやく韓国Kリーグへの移籍が決まったわけですが、この二つの移籍はJリーグでは非常に珍しいケースだと思う。まず都築選手について、今季は山岸選手が正GKとしてゴールマウスを守っているんですが、元々この二人は日本代表に入るだけの実力をお互いが持っている為、シーズン毎にレギュラーが入れ替わるのは良くあった事だったんですが、今季はスタート時に監督自身から山岸選手が第1GKでいくとミーティングで話したそうです。
ここまでは例年起きるポジション争いなわけで問題ないと思うのですが、世代交代も一つのテーマとして掲げているフィンケ監督の選択は第2GKには若手選手を使うとその時に伝えたそうです。

そこでの問題は、現役バリバリのGKである都築選手がその時点でほぼ戦力外通告を受けてしまったという点。今年32歳を迎える都筑選手ですがGKにとってその年齢がネックにならない事は世界中で多くのGKが証明しています。おそらく相当なストレスを抱えてしまった事でしょう。
チームの長期スパンでの選択なので仕方ない部分はあるのですが、一つ気になる点としてフィンケ監督が好む選手の傾向に黙々と与えられたミッションに向かう選手があげられるという事。つまり主張の強い個性のある選手を扱いきれないように僕は思う。

去年の闘莉王選手、今年の都築選手、そして高原選手。高原選手に関しては少ない出場時間でもコンディションが良い事は試合を見ていた人には伝わっていたと思う。昨シーズンは右サイドハーフというポジションで起用されても頑張っていたように思うが、今シーズン、というか昨シーズンの最後の方には自分はFWだという事を監督と話し合ったようです。もともとフィンケ監督は、『監督室の扉はいつでも開いてる』と伝え選手とコミュニケーションをいつでも取ると公言していたわけですが、その扉をノックし主張をした選手がクラブから離れて行くという現実には恐怖すら感じてしまう。
そして離れて行く選手が凄く能力のある選手という事も恐ろしい。

監督との相性で試合に出れない事は良くある世界だと思うけど、ここにあげた3選手はいずれも日本を代表する実力者達でそこに対しての扱いには非情すぎる部分を感じてしまう所もある。
世代交代というもの凄く難しい問題に浦和は取り組んでいるのは理解出来ますし、世界的にもサッカーバブルが弾けてしまい大きな予算が組めない事も事実だと思いますが、Jリーグの中で一番お金があるのは浦和。現状で育成クラブに向かおうとしているんですが、正直僕は寂しいと思ってしまう。他チームのサポーターの中には憎たらしい位の補強をする浦和を望んでいる声もある。そこを倒す事に夢を感じる人もいる。フィンケ監督はブンデス時代に多くの若手選手を育てて来た実績があり、素晴らしい監督である事は実績が証明していると思うけど、今の浦和において独裁者になってきている点は凄く心配に感じる。

選手達のモチベーションがこういう状況でどれだけ上げられるのかも心配に思う。
こういう時だからこそサポーターの声援が一番選手の力になれる時なのかもしれないですね。


※本コラムは隔週金曜更新予定です。感想はこちらまでお寄せください。

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