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蹴れるって素晴らしい by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

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フレンドリーマッチ
by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

先週から2試合行われたキリンチャレンジカップ。ようやく日本代表監督は決まったものの、ビザの関係で指揮を取る事はかなわなかった。
しかしながら次のW杯を目指して行く記念すべき一試合目。最初はテレビでいいやと思いながらも、ついついスタジアムまで行っている自分がいました。

スタジアムに着いたのは前半5分過ぎ。席にたどり着き、暑さと湿気による不快感を取り払う為即ビールを飲む。一息つき周りを見渡せば本当にびっくりする位、人が入っていた。

W杯が終わってからの協会の、様々な動きの遅さにイライラを感じていた自分ですので、正直これほどの人数がスタジアムまで来るとは思っていませんでした。
そしてスタジアムを包む空気が非常に温かい優しい物だったのにもびっくりした。

それもそのはず、以前のジーコ、オシムが指揮を取る初戦には、その前から新指揮官が目指すチームコンセプトを明確にしていた。ジーコは上手い選手を使って魅力的なサッカーを目指す。オシムは走れる選手を使い日本人の長所を生かす。
といった具合に予め見る人達に、これからのサッカーの方向性を示していたのですが、今回はご存知の通り監督は代行。これから日本が目指すサッカーはどこにあるかなどみじんも触れずに開催されたのが今回のキリンカップです。
見てる方も勝利が目的というより、本田、松井といった選手を見たいという部分が強かったのではないでしょうか? そしてスターティングメンバーにはファンが見たいであろう選手達の名前がズラリと並んでいた。肝心の試合内容は、ついこのあいだW杯で見せた「戦う集団」からはほど遠い部分が多かったと思います。結果としては勝ったものの、これでパラグアイに対してリベンジ出来たと思った人はいないのではないでしょうか。

その時思ったのが、これは「親善試合」なんだなーという事。選手もどこにモチベーションを置けば良いかもわからず非常に難しかったと思う。そう考えて行くと今回の2試合は今年スポンサーがつかず開催出来なかったオールスター戦のような空気だったのではないでしょうか。これからは新監督による“ザック・ジャパン”がはじまるわけですが、そこではメンバーも今回とは変わるだろうし、そうなると今回のキリンチャレンジカップってなんだったんだろうとなってしまう気がしてなりません。

そんな中ではありますが、僕がもの凄く興味を持ったのが2試合目のグアテマラ戦で先発出場した乾選手。正直ミスも多くブレーキになってしまっていた感は否めませんが、彼が今回の代表戦で一番代表の重みを感じていたように思う。セレッソサポーターから見れば『こんなの乾じゃねー』となってしまう出来だったとは思いますが、それだけ代表に対するリスペクトを持っているのでしょう。今回選ばれ、プレー出来た事で次からは固さも取れて乾選手らしいプレーを発揮できると思うので、ザック監督には今回の2試合だけでなくJの試合もきちんと見て選手を選び、どういうチームを目指すかをサポーターに提示して欲しいと思いました。

それから今回の選出メンバーを見て気づいた方もいると思いますが、選ばれているのが1チームから2名までなんですよね。これは偶然じゃないと思う。恐らくナビスコカップやリーグ戦との兼ね合いで調整が入ったんだと思いますが、だからこそ代表ではなく「日本オールスター」みたいな空気になってしまうというのを協会には考えて欲しい。見ているファンは「日本代表」だと思っているのだから。

※本コラムは隔週金曜更新予定です。感想はこちらまでお寄せください。

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