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ピッチに恋して by 松原渓

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名古屋優勝、私的ベスト5!!
by 松原渓

ドバイで行われているクラブワールドカップが盛り上がっていますね☆
国内ではJリーグが終わりましたが、天皇杯に勝ち残っているチームや、来年1月のアジアカップに招集される選手はコンディション調整もあり、オフは当分先になりそうですね。週末の試合がない今の時期にしっかり疲れを取ってもらいたいと思います。
とはいえ、12月は年末の天皇杯までスタジアムに行く予定がなく、寂しく感じる週末ですが……。

さて、今週と来週は、今シーズンを振り返りつつ、テーマ別ベスト5を発表したいと思います☆
(私の個人的な印象なので、それは違う!どこ見てたんかー!などなど、様々ご意見あると思いますがご了承ください!)

6日にJリーグアウォーズ2010が行われました。得点王は、前田遼一選手とケネディ選手がダブル受賞。そして、気になる個人タイトル部門では、ベストヤングプレーヤー賞にガンバの宇佐美貴史選手、最優秀監督賞にはストイコビッチ監督、そして、年間を通して最も活躍が評価されるMVPにはキャプテンとしてグランパスを優勝に導いた楢崎正剛選手が選ばれました。

皆さんが選んだベストイレブンと比べてみていかがだったでしょうか。私自身は、ベストイレブンで、ディフェンスラインでは駒野選手(ジュビロ)、中盤では家長選手(セレッソ)の名前がなかったのが残念でしたが…。
さて、これまでリーグタイトルに恵まれなかったグランパスが初タイトルを獲得した要因は、様々な要素が複合的に絡み合った結果だと思います。
というわけで、今週のテーマは「グランパス優勝の理由は?ベスト5」です!!

★5位…中盤の安定感

ストイコビッチ監督が獲得を熱望したと言われ、コンサドーレからの期限付き移籍で一気にその実力を開花させたダニルソン選手。中盤の底で強いフィジカルとミドルシュートを武器に攻守のスイッチャーとして欠かせない存在でした。また、背番号10番を託された小川佳純選手や三都主アレサンドロ選手ら控え組が、途中出場でゴールを決めるなど高いモチベーションを持ち続けてチームを支えたことも大きかったのではないかと思います。

★4位…闘莉王選手の加入=勝者のメンタリティを伝えた

レッズから加入した闘莉王選手が、持ち味のリーダーシップで勝利のメンタリティを伝えたことが、チームの雰囲気を変えた一因だと思います。闘莉王選手にまつわるいくつかのエピソードを考えれば、相手の年齢や経験に関わらずストレートに意思を伝え、良くも悪くも「我」が強い選手だと思います。その性格は、和を尊ぶ気質の日本人選手には少ない部分かもしれませんが、だからこそ闘莉王選手にコミュニケーションの面で学ぶことは多かったのではないかと思います。優しく頼もしい兄貴分な面を見せることもあり、オフザピッチも含め、プレーを見ていて全く飽きない選手でした。センターバックでコンビを組んだ増川隆洋選手との相性も良かったですね。

★3位…ケネディ選手の活躍=決定力の高さ

サイドからも中盤からも個人技でも攻めることができるその攻撃サッカーを完成させたのが、得点王に輝いたケネディ選手でした。線は細く見えるのにフィジカルは強靭で、キープ力抜群。足元の上手さがクラウチ選手(イングランド)に例えられるのもうなずけます。ヘディングはまず負けず、ポストプレーで味方を生かすこともできる。キリスト様にも例えられる垂れ目の優しい顔立ちからはゴールへの貪欲さや野性味は全く感じられない(失礼!)のに、ピッチではDFをきりきり舞いさせる、そのギャップもミステリアスで魅力的でした。また、その両翼を支えた玉田圭司選手と金崎夢生選手は、ゴールへの貪欲さを持ちつつもチームプレーに徹する献身も目立ちました。

★2位…キャプテン・楢崎正剛選手

スーパーセーブをしてもドヤ顔や派手なガッツボーズではなく、両手を叩いて味方に集中を促し、鼓舞する守護神。様々なタイプのキャプテンがいますが、長年チームのゴールマウスを守ってくれたこの人のために頑張ろうと思わせる、グランパスにとって唯一無二の存在だったのではないでしょうか。ワールドカップで日本をベスト16に導く活躍を見せベルギーに渡った川島永嗣選手や、「あの人は神懸かったら絶対にゴールに入らない気がする」と多くのサッカー関係者に言わしめる川口能活選手が「動」×「柔」なら、楢崎選手は「静」×「剛」。9月に行われたグアテマラ代表戦後に引退を表明したため、世界の舞台でもうそのプレーが見られないのは残念ですが…。これからはGKを目指す子供たちが増えそうですね☆

★1位…監督の力量

優勝監督に共通していると感じるのは、「人間力」、「経験」、「各メディアと対等に渡り合える知性」、「選手に信頼されるリーダーシップ」だと思います。時には強い個性をまとめる「猛獣使い」でなければなりません。ストイコビッチ監督はまず選手としての実績が申し分なく、立っているだけで選手に与える緊張感があるのでしょう。そして、選手よりも勝負にこだわる熱さを見せながらも、フロントも含めチーム全体の機微を察知し、人を動かせる冷静さを持っていたように思います。その二面性が醸し出すミステリアスさは、ケネディ選手のそれとは違い、ストイコビッチ監督は場面に応じてその表情を自ら使い分けることのできる「役者」だなぁと感じさせる人でした。全身で「熱」を表現した現役時代とは違い、目の奥に静かに炎が燃えている、そんな印象でした。

ベストイレブンにはグランパスから楢崎選手、闘莉王選手、増川隆洋選手、ダニルソン選手、ケネディ選手が選ばれました。 
改めて、受賞した選手の皆さんおめでとうございます!

来週は、今シーズンの重大ニュースベスト5を書きたいと思います☆

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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