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ピッチに恋して by 松原渓

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アジア杯開幕!
by 松原渓

先週は代表戦から高校サッカー選手権決勝と、ビッグイベントが目白押しでした。

9日にドーハで行われたザックジャパンの初公式戦となったアジアカップ初戦は1-1のドロー。

強豪アルゼンチンから歴史的勝利を飾った親善試合のアルゼンチン戦、スコアレスドローながら、縦に速い攻撃でザックジャパンの方向性を示し、ワクワクさせてくれた韓国戦のイメージがあり、今回も期待感の高さゆえか、"格下"のヨルダンにここまで苦戦を強いられるとは……と似た感情を抱いた方も多いのではないでしょうか。

やはり、サッカーは相手あってのものだということに、当たり前と言えば当たり前のことですが、改めて気づかされました。
作戦や、理想とするサッカーをピッチでどれだけ表現できるかは、選手のコンディションであり、個々の出来であり、そして相手によっていかに柔軟な戦い方をするか。

今回の試合では、日本を研究しつくしたヨルダンの戦術、個々の頑張りも褒めたいところです。10人で守るヨルダンは、日本が攻撃スイッチを入れるバイタルエリアで凄まじい集中力を見せていたのが印象的でした。そして、守から攻への切り替えと徹底したカウンター。サイドからなかなか攻撃させてもらえず、日本の良さでもある運動量でも負けているように感じました。
FKなどセットプレーのチャンスも多かったですが…。

しかし、勝てなければどんな理由も全てエクスキューズになってしまうのが公式戦。結果の重要性は、誰よりも、ビッグクラブを率いて大舞台を経験してきたザッケローニ監督が一番分かっているでしょう。

日本の前線に動きがないことは気になりました。次戦はぜひ、香川選手のトップ下、本田圭佑選手が右、松井選手が左、前田遼一選手がトップという布陣をぜひ見てみたいです。

吉田麻也選手は失点にこそ絡んでしまいましたが、プレーの選択の積極性は良いなぁと思いました。
海外組が増えましたが、個々の自信がピッチにも伝わっていました。川島選手のライナーパス、香川選手のゲームメイク、長友選手のサイドの仕掛け。次の試合は勝利に加え、内容も圧倒してもらいたいです☆


話題は変わって、翌日10日に行われたサッカーの第89回全国高校選手権決勝戦では、滝川二(兵庫)が5-3で久御山(京都)を破り、初優勝。
すごい試合でしたね☆
仕事で行けなかったのでテレビ観戦になりましたが、国立競技場のスタンドで観たかった!と、後悔…。

激戦を勝ち上がった2チームの選手たちの表情や魂のこもったプレーに、国立競技場が「聖地」と呼ばれ続ける所以を実感しました。
兵庫県勢の優勝は1938年以来。
滝川二は前半に浜口孝太選手のゴールでリードすると、「ブルドーザー2トップ」の樋口寛規選手もゴール。決める人が決めれば、チームは波に乗れますよね。後半は4-1まで差が開きながら、劇的な逆転勝利を信じる久御山がスタンドの空気も味方につけ、4-3と1点差まで詰め寄られましたが、後半ロスタイムに樋口選手の2点目で勝負を決めました。
「11人の心」=「志」というスローガンが結実した瞬間でしたね。
優勝、おめでとうございます☆

京都府勢として43大会ぶりの優勝を目指した「京都のバルセロナ」久御山も、個々の積極的なドリブル突破と、ある意味駆け引きを捨ててリスクを背負って最後まで攻め抜くスタイルで、大会を通じて楽しませてくれました。

高校サッカーならではの球際の必死さ、若さが可能にする運動量と一瞬のスピードなどは、戦術的な駆け引きが先行しがちなプロサッカーとは一味違い、新鮮でした。
また、高校サッカーと言えば監督にもスポットが当たりますが、スパルタ指導を徹底した監督、選手の個性を伸ばし、うまく融合させた監督……今回も様々なキャラクターの指導者の競演も面白かったです。

そして、大前元紀選手(清水)や、大迫勇也選手(鹿島)など、高校サッカー選手権出身の先輩に続く新星達の今後の躍進にも期待したいと思います☆

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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