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蹴れるって素晴らしい by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

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アジア杯
by DJ KOHNO フロム ケツメイシ

カタールで行われているアジアカップ2011で日本はグループリーグ突破を決めました(今夜が決勝トーナメント1回戦)。

ザックジャパン初の公式戦という事と、新しい背番号10の香川選手の(欧州→アジアへの)“凱旋”や、海外組の招集に軒並み成功した事から、怪我人を除けば現状の日本代表というチームで臨めている大会だ。とはいえ最大の目標は2014年W杯なので、選ばれている選手達の年齢層をみれば、これからの成長を期待されているという事も良くわかりますね。

今大会が始まり現在3試合を消化した中で、嬉しく感じる点が何点かあります。

まず一つ目が、試合後の選手コメントで、相手チームに対するスカウティングがしっかり行われている事を示唆する発言が増えた事。ヨルダン戦での吉田選手のロスタイムゴールも、セットプレー時のファーサイドのケアが弱い為、そこを狙っていたと言ってましたし、シリア戦では中に絞ってくるからよりワイドにピッチを使ったとか。

特にヨルダン戦などは、後半ロスタイムにようやく取れた点でしたが、苦し紛れのパワープレイで奇跡が起きたのではなく、点を取る為の作戦ありきで取れたというのが見て取れる。
これまでの日本代表でこういう事を感じるのはそう多くはありませんでした。

そして怪我人が出た事により出場するチャンスの増えた選手達。とりわけ一番の影響を与えているのが田中マルクス闘莉王選手の不在だと思う。長らく代表に定着している今野選手はサポーターにも理解されてる点が多いが、吉田選手に関しては、所属のVVVの試合を見ないかぎりほぼ情報も入ってこない中、楽しみにしていたのですが、キックも上手いし、あの“ふてぶてしい”感じは個人的に大好きですね。

これまで闘莉王、中澤選手がいなくなったらどうなってしまうんだといわれていたセンターバックが、栗原選手も含め一番面白いポジション争いになっていきそうな気配を感じる。

そして闘莉王選手不在が与えている影響が一番大きいのが実はキャプテン長谷部選手なんじゃないかなと思います。
南アフリカでキャプテンになった時はゲームキャプテンであり、キャプテンとしてやっていく際に当時のベテラン選手達の協力が非常に大きく、プレーに集中出来たと思う。

しかし今大会ではベテランといえる選手は本当にわずかしかおらず、真の意味でチームを引っ張らなければいけない。ゲーム中にチームの雰囲気がだれて来た時、味方でも容赦なく怒鳴りつける闘莉王のような選手は、賛否両論あるだろうが絶対必要だと僕は思うんですよね。ある意味、彼がいたら頼ってしまう部分も出てきたと思うが、長谷部選手にとって頼れるものが南アフリカの時より格段に少ない。それが自覚をうながしているように見える。シリア戦での審判に対する抗議も毅然とした態度でしっかりとしていた。

彼が昔、浦和レッズに所属していたころはある試合ではイライラしてるのが見てても解る感じだったのが遠い過去のように感じてしまいます。このアジアカップはコンフェデ出場権がかかっている大切な大会だが「ノルマ」は設定されていない。仮に今夜、カタールに敗れても収穫のある大会になっていると思うし(もちろん勝利を願います!)、これからを見て行きたいチームだなと思います。しかしわずか3試合でもこれだけの成長要素を見せてくれているチームだからこそ、あと3試合(勿論決勝までで優勝という意味)このチームで登ってほしいですね。

ヨルダンやバーレーン等、ここ数年で何度か本当にギリギリまで日本を追いつめて来たチームが増えて来て、今度こそはやってやるといった高いモチベーションで挑んでくる相手が多いのがアジアでの戦いになって来てると思います。相手をなめる事なく試合前から本気で挑む姿勢を貫かなければサウジの姿が明日は我が身となってしまうでしょう。

※本コラムは隔週金曜更新予定です。感想はこちらまでお寄せください。

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