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ピッチに恋して by 松原渓

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アジアカップを振り返って
by 松原渓

カタールでアジアカップを戦うザックジャパンは、ノルマとされていたベスト4に進出しました。

ここまで来たら、もちろん!優勝までノンストップでいってもらいたいですが、ベスト4はウズベキスタン、オーストラリア、韓国と、“勝ち方”を知っている実力国揃い!
いよいよ新生・ザック・ジャパンの真価が問われるところです。
ただ最低でもあと2試合、日本の「進化」を見られるのは、嬉しい限りですね♪

次戦の相手は、韓国!
日本を恐れたことがない、と話すのは韓国代表の趙(チョ)監督。悔しいですが、実際、昨年から勝てていないのが現実。
9月の親善試合(スコアレスドロー)で日本は互角以上の組織力を見せてくれましたが、今回は公式戦ということで、あの試合よりもさらに白熱した展開になるのではないかと予想しています。
前大会でも同じく準決勝で当たった(PK戦で敗戦)ライバルを破り、7年ぶりにアジア王者の座に挑戦する権利を得てもらいたいものです!

天皇杯など日程の影響で他の国に比べ調整が遅れた日本ですが、試合を重ねて選手間のコンディションのバラつきも解消されてきました。疲労の蓄積があるとはいえ、チームとしては充実しているのではないかと思います。
振り返ると、初戦のヨルダン戦ではなんとかドローに持ち込む厳しい船出にハラハラさせられ、2試合目のシリア戦では中東の笛に苦しめられ、川島選手の退場で10人での戦いを強いられましたが、本田選手がPKを決め、僅差で勝利!
3戦目のサウジアラビア戦は、サウジアラビアの驚くべきモチベーションの低さがそのままスコアに出て、5-0と完封勝利。優勝候補のひとつと目されていたにも関わらず、全てが裏目に出てしまったサウジアラビアは気の毒なほどでした。一方で日本にとっては、楽に勝った試合は課題が出にくく、修正が難しい上に、少なからず気の緩みが生まれてしまうものかもしれません。

決勝トーナメント一回戦のカタール戦は、先制されて追いつき、リードされてまた追いつき…予想を超える死闘の90分間に。テレビの前で喜怒哀楽の全てを出し切ったような、ドラマティックな90分間でもありました。

そんな試合で違いを見せたのは、日本代表の若き新エース、香川真司選手!
日本をワンランク上に引き上げることができる「決定力」を持っているのは、本田圭佑選手か、香川真司選手か。
新生ジャパンの背番号「10」をある意味で“争った”ともいえる2人ですが、ザッケローニ監督はさすがによく見抜いているな、と思います。

ただ、この試合では勝利にほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、試合への入り方が違えばもっと楽に戦えたのでは?という疑問も沸いてきます。
これだけハードな4試合をしっかり勝ちきったことで、チームの一体感は増し、各選手のコメントからも精神面では大きな収穫があったと言えますし、何より日本全体の「サッカー熱」が上昇したのも嬉しいオマケと言えるのかもしれません♪

さて、グループリーグ3試合のMVPを挙げるなら、皆さんはどの選手を選ぶでしょうか?
私は・・・
シリア戦とサウジアラビア戦で結果を出した岡崎選手も頼り甲斐がありましたが、やはりカタール戦で2度のリードを許し、さらには10人に追い込まれた窮地の中で、最後まで攻める姿勢を前面に出してチャンスを作った長谷部選手、そしてチームを救った香川選手は代えのきかない存在でした。また、攻守において「日本の頭脳」とも言えるのが遠藤保仁選手。チーム最年長ながら、常にチームで3本の指に入る運動量を示し、陰のMVPです。

吉田麻也選手や伊野波雅彦選手といった新たなタレントが出てきているのも嬉しいニュースですね。両選手とも波があるようですが、プレーの選択やリスクの負い方ひとつでも、ただ周囲に合わせるだけでなく、自分を信じて思い切りプレーしているのが伝わってくるのがとても良いなぁと思います。吉田選手はオランダ(VVV)、伊野波選手は鹿島で、幾多の試練を乗り越えてきた苦労人ですね。

気になるのは普段の穏やかそうな表情が一転、ピッチに入ると川島選手以上に迫力のある「ドヤ顔」を見せるザッケローニ監督が、交代で投入する選手達にどんな言葉をかけているのか?ぜひ知りたいものです。
さて、韓国戦のキックオフまで24時間を切りました。

予想は…2-1で日本。
決勝ゴールを決めるのは・・・前田遼一選手!!

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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