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ピッチに恋して by 松原渓

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2011J開幕!!
by 松原渓

J1開幕戦
川崎フロンターレ×モンテディオ山形
@等々力陸上競技場…18673人

いよいよ2010/11シーズンが開幕しましたね☆

昨シーズン上位のクラブの主力級に大きな動きがあり、戦力的に変化が少ないグランパスや、ベテラン選手の安定感が段違いのアントラーズとガンバ以外は非常に予想が難しく、昨年以上に接戦のシーズンになりそうな予感もあります。

そんな中、今シーズン、私が注目するクラブの筆頭は昨季5位の川崎フロンターレ。
昨年までのスタメンが7人も移籍するという変革を断行したエスパルスに次いで、フロンターレもシーズンオフの移籍で顔ぶれはかなり変化した印象です。
特に、昨年までフロンターレの攻撃陣と言えばブラジル・トリオの「個」に頼る部分が大きかったと思うのですが、そのうち2人が退団してジュニーニョ選手(現在は離脱中)だけになり、攻撃に関しては変革が不可欠。また、今シーズンから指揮を取る相馬直樹新監督は、フロンターレのOBであり、元日本代表としても知られた存在でしょう。昨シーズンはJFLでゼルビア町田を率い、1年でJ2昇格の条件である3位以内に導いた手腕…気になりますね☆

2009年にS級ライセンスを取ってから僅か2年で今年のJ1では最年少日本人監督に。まさに監督界のルーキーと言える存在ではないでしょうか。1年目にして何かしらサプライズを巻き起こしてくれるのではないか、という可能性を感じさせてくれます。

というわけで、開幕戦は川崎フロンターレ×モンテディオ山形戦に行ってきました!

この日、等々力の客席には今季から町田ゼルビアを率いるポポビッチ監督(元大分トリニータ監督)の姿もありました。
そのアウェイに乗り込んだのは、昨シーズン13位のモンテディオ山形。レンタルで獲得していた増田誓志選手、田代有三選手(FW)がアントラーズに復帰。チームの得点源であり10番を背負う長谷川悠選手にかかる期待はさらに大きくなりそうです。

ホーム開幕戦に意気揚々と臨むフロンターレサポーターに負けじと、アウェイの山形からも多くのサポーターが訪れ、等々力競技場のアウェイ席も見事に埋まり、快晴の青空の下、2色のブルーでスタンドが揺れる中、15時にキックオフの笛。

この日が相馬監督新体制のお披露目となったフロンターレのスタメンは、センターバックに昨年までボランチだった横山知伸選手が入り、稲本潤一選手とボランチを組むのは、ヴェルディから新加入の柴崎晃誠選手。関係者の間でも前評判が高い選手で、要チェック選手です。前線は司令塔の中村憲剛選手がトップ下に入り、右に登里選手、左に楠神選手、ワントップに矢島選手。4-2-3-1にも4-4-2にも柔軟に対応できそうな布陣です。

試合は序盤こそ山形が高さを生かしたパワープレーでフロンターレを自陣に釘付けにしますが、中盤のタレントで上回るフロンターレが次第にペースを奪い返します。
全体がコンパクトに連動し、左の中村憲剛選手が右に流れ、楠神選手と登里選手もポジションチェンジを繰り返し、矢島選手は高さを生かして前線で起点に。新生フロンターレの、公式戦初陣とは思えないような息の合ったパスワークでプレスをかいくぐりチャンスを作ると、先制点は39分。矢島選手が2人抜きから力強くゴール!この1点をきっかけに流れを引き寄せると、その4分後には中村憲剛選手の絶妙なワンタッチパスを受けた登里選手が重心の低いドリブルでDFを振り切り、逆サイドに決めて2-0。

その後もサイドバックの果敢なオーバーラップや、ダイレクトでつなぐショートパスで試合を支配したフロンターレが完勝。
モンテディオも前半はプレスが効いてチャンスを作れていたのですが、後半は時間の経過と疲れの蓄積で守備がバラバラに。ここまで一方的な展開になるとは予想していませんでした。ただ、モンテディオの守備が悪かったというよりは、やはりフロンターレの「バランスの良さ」が印象に残りました。

選手一人ひとりがフロンターレという一つの大きな時計の歯車になったように、的確な場所に動き、パスを捌き、攻撃の流れを作り出すサッカーは、実に見ごたえがありました。
その中でも、試合前から注目していた柴崎晃誠選手は、中盤において稲本選手や中村憲剛選手に負けない安定感がありました。
運動量は豊富だけれど無駄な動きが少なく、無駄なタッチも少なく、パス成功率はおそらくチームでも1、2位を争うものだったと思います。柴崎選手のプレーを見ていると、FC東京の米本拓司選手がブレイクし始めた時のような期待感を持ちます。今後はミドルシュートなど、ゴールを狙うプレーにも期待したいところです☆
フロンターレが、今シーズン、このサッカーでどこまで結果を出せるか。

中村憲剛選手も「ここ数試合ないぐらい主導権を握ったサッカーをできてやっていて楽しかった」と充実感を滲ませましたが、直後、「次のマリノス戦で同じことができるかどうかが大事」と気を引き締めていました。この日のように、自ら仕掛けるアクションサッカーができる時は良いのですが、相手によっては守備を強いられる時間帯が多くなる試合もあるわけですから、その局面、強豪との試合や連戦をどう乗り切るか。引き続き、注目していきたいと思います♪

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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