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「ボールは丸い」~慶大ソッカー部マネージャー戦記 by 呉田幸子

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早慶戦の舞台裏と幸福感
by 呉田幸子

こんにちは。
6/29に第64回早慶サッカー定期戦が行われました。
応援に来て下さった方ありがとうございました。

結果は0-3で早稲田に完敗。観客動員は、目標の2万人に遠く及ばす12,808人となりました。その舞台裏でどんなことが起きていたか書きたいと思います。

この定期戦では、ピッチで戦っている選手だけでなく、各所で仕事をする部員も奮闘していました。今日1日だけは悔しさを捨ててチームの為に戦おうと決起会でも話がありました。仕事の基本マニュアルには、「隣の早稲田より常に一歩先をゆくこと」と書きました。キックオフは19:00、選手は17:00に会場入りですが、私たちは9:00入り、他の仕事の部員も13:30に集合です。部員全員で勝つというのが目標でした。

その中で、少し良い話を聞きました。グッズ売店の仕事に入った4年生が、下級生に対して、「これからのためにできるだけ多く試合を見て目に焼き付けておけ」といって、自ら仕事を多くやり、下級生ができるだけ観戦できるようにしてくれたそうです。試合に出られなかった3年生以下の選手にとって、この光景は憧れであったと同時に、自分へ苛立ち、悔しさ、そして決意となったと思います。

試合が終わったあと、負けたことが受け入れられなくて、混乱して感情を持つことができないまま片付けに取りかかりました。その時、たまたますれ違った部員に「ありがとう」と言われました。彼は直前にトップチームから落とされ、涙をのんだ選手です。試合出てないのになんで?と最初は思いましたが、彼の心も動かすこともできたのかな?と思いました。試合に出られなかった選手に「ありがとう」と言われたことがすごく嬉しく、ふとこらえていた感情が涌き出てきました。

早稲田の選手も、終わった後、わざわざ近寄ってきて「ありがとうございました。」と言ってくれました。やっぱり彼らは、大切な仲間なんだなと感じた瞬間でした。

埋め尽くされたメインスタンドと、誇らしく聖火が灯るバックスタンド、早慶のビッグフラッグが掲げられたゴール裏。この光景は一生忘れられません。
こんなに多くの人が応援してくれる試合はありません。負けた悔しさと虚無感と同時に、自分が幸せだなということを感じた早慶戦でした。大勢の人に感謝したいと思います。ありがとうございました。

早慶戦は、私にとってとても大きな存在でした。それがもう終わってしまったことに寂しさがあります。そして、64回の歴史を繋いできた早慶戦、国立最後の開催にも寂しさがあります。また後輩が良き早慶戦を創っていってくれることを期待します。

まだ、引退ではありません。夏の総理大臣杯全国大会、そして後期リーグに向けてチームは頑張っていくので、応援宜しくお願いします!個人的には、早稲田に勝ってから引退したいなと思っています!

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