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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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日本人の得点王争い、これは以前のような優れた外国人FWがいないから
by セルジオ越後

 今年のJリーグは例年以上に日本人選手が得点王争いをしている。第23節の時点では大久保がトップで豊田や渡邊、川又、柿谷、工藤、佐藤寿人、大迫と上位はマルキーニョスを除くと日本人選手ばかりだ。これは盛り上がるし、Jリーグとしても嬉しい部分になっている。

 守ってカウンターが現代のJリーグの主なパターン。守りを固めて、前に残っている選手が仕事をする。大久保も渡邊も柿谷、大迫とみんな1トップの選手たち。カウンターから彼らの決定力にかける戦術を取るところが多い。ただ、大久保、渡邊、川又、佐藤は代表入りしていない。これが評価なんじゃないかな。リーグのレベルが低い。下位のチームからゴールを荒稼ぎしたりもできるし、リーグ全体のレベルが高くないからJリーグで点取ってもそれが代表につながってこない。得点王(佐藤)が代表入りしないリーグだからね。例えば、大久保がフロンターレで18点取っているけれど、それよりもアルビレックスで川又が取っている15の方がボクは凄いと思う。ただ点取っているからいいというのではなくて、どの相手から取ったのか分析する必要があるよ。

 得点ランキングの上位で20代前半の選手は柿谷、大迫、川又だけ。若手と言えそうなのはこの3人だけだ。37歳のマルキーニョスや大久保、佐藤とベテランの選手までもゴールを荒稼ぎしている。得点ランキングの上位を日本人が占めていることで、日本人選手のレベルが上がったように見えるけれど、これは以前のような優れた外国人FWがいないから。またJリーグのDFのレベルが落ちているからだと思っている。

 今年は大宮のノヴァコヴィッチが怪我をしたり、ダヴィが怪我したり、得点王を争いそうな外国人選手がフル出場していない部分がある。Jリーグにブラジル代表クラスの選手はいないし、これまでの外国人に比べて質が落ちていることがこの得点ランキングにつながっていると思うよ。カズ、中山、高原、福田といった10年、15年前の日本人得点王と今の日本人選手たちの活躍を同等に評価することはできない。日本人の選手が活躍することでJリーグが明るくなっていることよりも、J1クラブが18もあって戦力が分散し、レベルの上がらないJリーグの将来の方が心配だよ。

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