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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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ワールドカップまでにこの危機感がなくなったら意味が無い
by セルジオ越後

 日本代表は19日に国際親善試合でベルギーと戦い、3-2で逆転勝ちした。オランダとの連戦は1勝1分。“ノルマ”は果たしたね。特にベルギー戦では勝つのと引き分けるのとでは大違いだった。
 
 出足はベルギーがホームのチームらしく、ガンガン来た。でも日本のミスもあって先制点を取ると、ペースを落とした。ガンガン来ていたのが引いちゃったことで日本は当たらずにボールを回すことが出来だした。香川や本田がフリーでボールを回したら、相手は受けてしまっていたね。向こうの守備がルーズになった時に酒井宏樹がピンポイントのクロスボールを上げて、そこにはもう柿谷しかいなかった。

 15日の親善試合でコロンビアに負けていたベルギーは、オランダに比べてちゃんとした試合をしていたと思う。でも負けたあとの試合だったことで焦りがあったようだ。日本はペースを握ったまま試合を進めていた。相手はフィジカルは強いけれど、ダイレクトでボールを動かすと鈍い。アザールを代えても流れを取り戻せなかった。MVPは本田ですよ。ふつうの試合よりも守備も頑張っていたし、戦う精神がすごかった。最後の“就職活動”でいいアピールができたんじゃないかな。

 大迫との競争で柿谷にも危機感が生まれていたし、岡崎も先発以外で点を取ったり、遠藤は交代出場で結果を出した。香川も意識が変わってきたと思った。10月の連敗で危機感を感じて「誰もレギュラーじゃない」、というところから良くなった。マスコミも立ち上がって、厳しい指摘をしたり、環境が変わってきたらチームも変わった。ザッケローニ監督もプレッシャーを感じていたと思う。日本代表が、いつもこの危機感のなかでやってくれたら、ワクワクできる。

 ただし、ワールドカップまでにこの危機感がなくなったら意味が無い。またプレーオフでウクライナに0-2から逆転したフランスやクリスティアーノ・ロナウドのハットトリックでスウェーデンに勝ったポルトガルのような本当の真剣勝負の中でこのような試合をしなければいけない。勝っても忘れてはいけないことがある。勝って嬉しい反面でまた2失点したという反省もあるし、3人の交代枠の試合でどこまでできるのかという部分もある。45分間だけの出場だったら誰でもはじめから飛ばして動いちゃうからね。

 今回出場した選手以上にJリーグで結果を残している選手だっている。まだまだレギュラーは決まっていない。勝ってバンザイではなく、危機感を持ち続けてワールドカップに臨んでほしい。

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