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I PLAY FOR… ~大学サッカー・ゲキサカ連動企画~ by  

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Vol.7 ライター・カメラマン 飯嶋玲子「人生を選択する一人ひとりの4年間を見つめる」
by  

 12月14日に全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)が開幕しました。ゲキサカでは大学サッカー連盟と合同でコラム企画を実施。インカレに携わる人達の想いを全10回で掲載します。第7回は長きに渡り大学サッカーの取材を続けるライター・カメラマンの飯嶋玲子さんです。


I play for...『色んな形の勇気』
【理由】4年間で色々と考えて、悩んで……。大学は色々な形の選択肢を持てる場所であってほしいと思います。


―サッカーに関わるようになったきっかけとは?
「サッカーはJリーグができる前にW杯を見てハマりました。割とよくあるパターン(笑)。元々は編集と記者をしていたんですが、当時はJリーグが始まったばかりの頃で今以上に大学サッカーの人気がなく、サッカー誌の方に『カメラマンを派遣できない』と言われたのがきっかけで写真も撮るようになりました」

―どうして「大学サッカー」なんですか?
「Jリーグがみんなブラジルの様なサッカーになってしまって、つまらなくなったからかな。Jリーグが始まって1、2年目くらいに細かいドリブルをしたりパスをしたり、みんなブラジルみたいになってしまって。大学はそういうチームもあればロングパスやロングキックが主流のチーム、ディフェンスをゴリゴリにやっているチーム、チーム全体はそんなに強くないけれど馬鹿みたいに足の速い選手がいるチーム……。まとまってはいないけれど、バラエティーに富んだ面白いチームがあって」

―他のカテゴリーと比べた「大学サッカー」はいかがですか?
「バラエティーに富んでいるというのが一つ。それと、大学サッカーは卒業後にサッカーを続ける人もいれば、辞める人もいるという部分でも見応えがありますね。大学でサッカーを辞めて、サッカーとは全く関係のない仕事に就く人もいる。JFLやJ3、海外に行ってでもサッカーがやりたいという人もいる。プレーヤーではなく、他の形でサッカーを続けたいという人もいる。みんな4年間でサッカーについて色々と考えるから、見ていて楽しいし、取材をしていて手応えがあります。大学サッカーの魅力は、そんな色々な選択肢を大学4年間で見つけるところですね。中には辞めていく人もいるけれど、それもその人の選択であって」

―取材をしていて一番印象的だったことは何ですか?
「たくさんあるけれど、中村憲剛(中央大卒/現川崎フロンターレ所属)と中町公祐(慶應義塾大卒/現横浜F・マリノス所属)の2人は特に印象に残っていますね。中村憲剛は大学時代、代表や選抜に全く選ばれていないんですよ。関東選抜にさえ入っていなかった。本人はそれをすごく悔しがっていたんだけれど、『でも大学に来なかったら、絶対にプロにはなれなかった』って言っているし、『どんなにベンチや代表から外されても、大学時代に“あいつ、誰?”というところから始まったから、全く怖くない』とも言っている。それがすごく大卒選手らしいなと思う」

「中町くんに関しては、すごく考えていたという印象。プロに行ってから大学に来て、卒業後またプロに行くという形の選手で。大学に来たら、『自分はプロにいる時、得意なことしかやっていなかった。これなら契約を切られて当然だ』ということを俯瞰(ふかん)して見ることができた。そして、卒業して行く時に『大卒選手は即戦力と言われているけれど、俺は新人選手じゃなく移籍だから』という風に考えていた。みんな色々なことを考えて大学を卒業していってくれたなと思いましたね」

―インカレに対する想いとは?
「大学サッカーは色々あるけれど、最後に勝って終われるのは1チームしかないんですよね。ほとんどのチームが泣いて終わっていく中で、最後に笑って終われるところを目指していく。もちろん優勝したら笑って終われると思うけれど、負けたチームでもやり切って、泣いたとしても最後は笑って終われるように頑張ってほしいなと思います。インカレは1年間で最後の大会だからね」

―子供たちにとって大学サッカーとはどのような舞台であるべきでしょうか?
「色々な形の選択肢を持てる場所であってほしいと思います。今年度プロに行く選手の中にも、高校卒業時にプロから声が掛かったのに大学に進学した選手がいるんですよ。『自分に自信がない』『本当にこれでいいのかな』と悩むと言っていて。でも、プロに行く勇気がないというのもわかるんだよね。18歳で人生決めろって言われても難しい。そういう時は大学に進学して、自分を見直しても良いし……。谷口(彰悟 筑波大/川崎フロンターレ入団内定)くんが『もし、大学で潰れてしまうような選手だったら、18歳でプロになっても多分潰れていたと思う。18歳であろうと22歳であろうと、プロになるのには大学のこの4年間はあまり関係ない』と言っていて」

「『まだやれるのに、勿体無い』と言われて辞める人もいるだろうし、でもそれは本人が考え抜いて選んだこと。そのための4年間だからね。悪い意味ではなく、モラトリアムな4年間だと思う。自分の人生を決めるために大学4年間を活用してほしいなと思いますね」


 繋いできた想いは、最後の国立へ。
 平成25年度第62回全日本大学サッカー選手権大会決勝 12月25日(水)15時Kick off !!



●飯嶋玲子
フリーライター・カメラマンとして主に大学サッカーの取材を続け、その他にも幅広く多様なジャンルを取り扱っている。サッカー誌にて大学サッカー関連の記事を執筆するだけでなく、1997年から運営している国内最大の大学サッカー情報サイト「College Soccer Central」を通して大学サッカー発展の為に情報発信を行っている。

(協力 全日本大学サッカー連盟)

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