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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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横綱は今年も不在。大関が優勝したようなJリーグだった
by セルジオ越後

 今年のJリーグはサンフレッチェ広島が優勝した。2連覇は素晴らしいことだと思う。でも、Jリーグは改めて戦国時代になった印象だ。勝って、勝っての優勝ではなく、上のチームが負けながら順位が入れ替わった。マリノス、レッズ、セレッソ、アントラーズ…どこにもチャンスはあったけれど、連敗したり、下位に取りこぼしたり。そして優勝争いから脱落していった。「あら、負けた! どこが優勝する?」そんな感じで順位が変わって最後生き残ったのがサンフレッチェだった。

 サンフレッチェは最終節、マリノスが負けて優勝。ギリギリまで優勝が決まらなかったことで盛り上がったけれど、グラウンドの上で勝って決めた優勝ではなかった。勝ち続けて優勝するという横綱は今年も不在。サンフレッチェには失礼だけど大関が優勝したようなJリーグだった。横綱が優勝しなくても、優勝争いは盛り上がる。サポーターはもちろん盛り上がるけれど、社会的な印象はどうかな。MVPも優勝したサンフレッチェからではなく、負けたマリノスの俊輔だった。

 それでも、サンフレッチェはACLが終わってからよく立て直したと思う。2桁順位にいたアルビレックスが後半戦凄い勢いで順位を上げて、残り10試合くらいで9位にいたフロンターレも最後にいい3位にまで上がってきた。一方でアルディージャの出足の良さと後の酷さ。グランパスとジュビロは何をやっているんだろうという1年。どこが強いなんてない。今は「荒れている」Jリーグじゃないかな。こんなに、毎年のように上位が入れ替わるリーグも珍しいと思うよ。

 サンフレッチェにはJリーグ3連覇よりも、ACL優勝を目指して欲しい。来年はワールドカップが行われるからもっとJリーグも盛り上げることができるはず。今までにない目線で見られるから、そこでまた見たいという思わせるようなチームや選手に出てきてもらいたいね。

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