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FBN密着インタビュー

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「(初めて合流した代表合宿は)最初は緊張しましたね。『どうも大黒です』って挨拶して回った」

「(北朝鮮は)よく走るということもわかっていた。プレスもガンガンかけてくるだというのもビデオでしりました」

「芝生がちょっと濡れていたうえに、キーパーがキャッチできそうなボールをパンチングで逃げていたのをみて、あんまりうまくないのかなぁって思った。だから、(途中から)自分が出るんだったら、シュートは転がしたほうがいいと思って試合を見てました」

「(残り10分監督から出場の指示はいつ?)直前でしたよ。ダーッと着替えてピッチに入るという感じ。スコアは1対1。交代はFWだと思っていた。3人目の交代。つまり僕が出るともう後の選手は出られない。(藤田)俊哉さんやアツさん(三浦淳宏)・・・出番はない。でもみんなが『頑張ってこい』って言ってくれて・・・。だから僕は点が入ったときに真っ先にベンチのサブ組のところにいった」.

 在日コリアンで友人の今回の北朝鮮チームのコーチは悔しがっていた。ゲームプランどおりに引き分けは目の前だった。試合後に宮本恒靖はそんなに大きくない(食料難時代に成長期をすごした世代)のディフェンス力に「勉強になったと」そのコーチに語っている。そんな気持ちの入った相手をベンチで冷静に分析していた男が鮮烈なデビューを飾る。偶然よりも必然の多いFWはこうして日本じゅうに「大黒様」の名前で福の神として祭り挙げられる。その偶然にはまったく無関心で自らのゴールの必然性だけを追及しつづける男はFWには珍しい努力型の逸材である。

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