「(ヒデとの練習中の口論)口論というか、話し合いです。守備でのプレスについて。自分がプレスに行ったあとに僕も一緒にプレス行ってほしい。そうすれば相手はどうしょうもなくなるから。僕が行くと真ん中にスペースがぽかりあいてしまう。ヒデの言っていることも間違いではない。チームとしてどうするかを相談するのは大事(ジーコはそうしたことは選手におまかせ)」

「ヒデの意見が強すぎて、意見を言えないと感じる選手もいるかもしれない」

「(ハーフタイム)俊(中村俊輔)と話した。(相手に攻め込まれて防戦一方)攻めの気持ちで行こう。後ろからの押し上げをやるから。」

「(後半若干コンパクトに修正されている中で福西のゴールが決まる)柳が相手と競っている。その競っているボールが出てくれると思って出ていったら来た」

「(その後相手が攻めてきた)そこでまた“受け身”になりすぎた」

　中田英が帰ってきた。彼にはこのチームの問題点が見えていた。ディフェンスラインが下がり前線との間に“間延び”が生ずることだ。後ろからプレスをかけて欲しいヒデ。プレスをかけすぎて留守になるのを危惧する福西、宮本、中澤。意見は衝突した。いろいろな問題が出た。4バックなのか3バックなのかの議論が沸騰した。見えてきたのはコンパクトを維持するにはどうすればいいか?　それを解決するためにはコミュニケーションが必要だった。そして1人で2人分働く男がボランチに必要だった。福西はその役を黙って続けている。