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FBN密着インタビュー

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AFCアジアカップ2007予選大会Aグループ 
日本代表対イエメン代表 
06年8月16日 新潟スタジアム
イビチャ・オシム
日本代表監督会見要旨

「前半の日本はイエメンの小さくて素早いDFとMFにしっかりと守られてスペースが作れなかった。後半のスタートから投入した羽生に指示したのは『サイドに開け』『動きまわれ』ということだ。

 相手の守りの隙間を作る工夫をしないと引き分けを狙って超ディフェンシブに構えるイエメンの守りをこじ開けることはできない。

 今日の試合ディフェンスのやり方は前回のトリニダード・トバゴ戦に較べると改善はあったが攻めの『アイデア』がなく攻撃(ディフェンスラインから前線まで)に関してはもう少し工夫をしないとダメだと思う。

 チーム作りはディフェンスのかためからということからすれば進歩はしていると思う。チームを作る事始はディフェンスをしっかり作ること。そしてもっとも難しいのが得点をとるアイデアをチームが開発することだ。

 しかもそれが実戦で機能しなくてはいけない。クラブと違って練習によって開発する時間は代表には与えられていない。

 フリーキックには、二つのタイプがある。一つは審判から突然渡される『プレゼント』そしてもう一つは“攻めに攻めて”相手がファウルするしか止める手立てがなく仕方なくファウルに及んだことによって得られるもの。

 私たちは常に後者のフリーキックを得る努力をしなくてはいけない。その点は今日のゲーム努力のあとを認めよう。

 しかし、三都主と遠藤そして闘莉王は事前に打ち合わせをして私がこう蹴るようにといった蹴り方ができなかった。相手に失礼だがもしもっと強いチーム(例えばオランダ)に守られてあのようなキックをしていたら大変なことになっていただろう。

 代表チームではフリーキックの練習をやっている時間も余裕もない、三都主も遠藤も闘莉王も日本を代表するフリーキックの名手である。阿部も含めてこうした優秀な技術者がいる日本は少なくとも5本に1本はゴールに突き刺さってもらいたいものだ。

 今日の試合では10回以上蹴っても決まらなかった。クラブでしっかりと練習をして次の代表合宿に望んでもらいたい。

 私は今日の試合に不満を持っている。ディフェンスラインが横にパスを出して前に攻める速度が遅かった。

 日本のディフェンスはまるでたくさん駅のある各駅停車のようになっていた。あれじゃ、日本がノロノロしているうちに相手チームはしっかりと守りを固めてゴール前にさえボールを侵入させることが困難な城壁を築きあげてしまう。(ジーコのチームでも相手に守られると前に攻めることができなかった。オシムは前にボールと人が走るサッカーを目指しているのでその点からすると今日の試合は本人いわく不満の残る試合だった)

 リズムを変えろ! サイドチェンジをしろ! 言うのは簡単だがやることが難しい。言ってもしかたがないがもう少し攻めの方法、ディフェンスラインからのビルドアップのアイデアを考えないとダメだろう。

 この課題は一晩で解決する問題ではない。Jリーグには走ることすらまともに出来ない選手が真剣さもなくいい加減なプレーをしている。このことから変えないとダメだろう。

★この会見内容続く未だあります。お楽しみに。
 

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