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FBN密着インタビュー

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AFCアジアカップ
2007予選大会Aグループ 
日本代表対イエメン代表 
06年8月16日 新潟スタジアム
イビチャ・オシム日本代表監督

 なんで点が入らないか? 

大きなスタジアムに満員の観客の全員が応援してくれている。そこで選手は自分が得点を入れて大喝采を浴びる。翌日の新聞がみな自分のことを書いているのを想像する。そんなことをしている奴に点はとれませんね。日本のマスコミは少しそうした選手を甘やかすところがある。ろくなことはありません。

4万人を超える大観衆やあのドイツのワールドカップのようなアウェーの大舞台などを用意して練習をすることができるならものすごくよい練習になるでしょう。

実戦に近い精神状態で環境でできることが練習のポイントであることは間違いありません。例えばイエメンと試合をする一週間前に同じピッチ同じ時間に同じ観衆でイエメンの選手と練習試合をするのが最も効果があります。でもそんなことはできません。

実戦とトレーニングは違う。練習で入るものが入らない。それを改善するには練習をなるだけ実戦に近い状態でやることが一番です。日本の選手は練習と実戦がかけはなれている。

日本は地理的にではなくサッカーの内容として世界から孤立している。(東洋には朱に交われば赤くなるという言葉がある)強いチームと戦う機会。スピードと変化の早い環境での練習そしてゲーム。そうしたものにコンタクトする機会がない。

この夏にヨーロッパの強豪チームが沢山来たがどのチームも「遊び半分」「疲れ」「準備不足」などでとてもベストの状態ではなくやってもあまり意味がなかったと思います。

日本人はハングリー精神にかけるというが、どちらかといえば豊かな国であるドイツやイングランドが強いのはなんだといいたい。

カネに困ることがサッカー選手を育てることも認めるがそれだけではないだろう。「誇り」「名誉」「喜び」「楽しむ」お金では返られらないものがありサッカーにエネルギーを注ぐ価値をそこに見出すことを日本人はもう少し考えるといいでしょう。
一般論として日本で価値のない親善試合をやるよりも海外に出向いてヨーロッパの強豪国の代表と戦えばいいというのはわかる。

しかし、超過密日程の欧州で代表チームがおいそれと日本と試合をまともにやってくれると考えるのは愚かだ。コストの点、各クラブとの折衝などを考えるとアウェーで強い国とやれというのは幼稚な考えといわざるを得ない。

 これは私のアイデアですがスポンサーを見つけて「ミニ国際チャンピオンシップ」をやるはどうでしょう。親善試合はその名のとおり勝負第2の戦いです。「

 
国際チャンピオンシップ」ならタイトルがかかりますからそれなりに真剣にやらざるを得ない。しかも短期間にいくつもの強化試合を効率よくこなすと考えることができます。

 トリニダード・トバゴとの戦いは確かにレッズのコミュニケーションが上手く機能しました。今日の試合は一つ塊を使ってやってもダメだということを証明したような試合でしたね。もし代表がジェフの選手だけでやったほうが強いなら私はそうします。でもそんなことはないということを今日の試合が証明しています。今回の代表選考についてもいい選手を選んだらたまたま同じチームが多かったというようにお考えいただきたい。
 「美のために死を選ぶ」のはその人の自由かもしれません。しかし、死んでしまってはサッカーはできません。現代のサッカーは美しいプレーよりも勝つことを優先します。それは死んではいけない=勝たなくてはいけないからです。だいたいにおいてエレガントなことと結果を効率よく出すことは反対の方向をむいているものです。
 
 

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