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レッズの真相「ビッグクラブ2」

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 北京オリンピックに出場するU-23日本代表がリーグ戦の合間の4月21日から23日にさいたま市内でミニキャンプを張り、最終日に浦和レッズ、大宮アルディージャと練習試合を行った。
 浦和からU-23日本代表に選出されているのは細貝萌と梅崎司のふたり。そのうち、細貝は浦和、梅崎は大宮戦に出場した。今回は締切の都合上、大宮戦の結果、及び内容については割愛する。ちなみにU-23日本代表対浦和の試合は1-1でドロー。浦和は日本代表の4人(阿部勇樹、闘莉王、都築龍太、永井雄一郎)が代表キャンプで不在。他にも坪井慶介、平川忠亮、堀之内聖らは休養、高原直泰、鈴木啓太も体調不良で欠場し、若手とベテランを織り交ぜた布陣で臨み、高橋のゴールで先制したが、李忠成のPKで追いつかれた。
 細貝は3月の親善試合・アンゴラ代表戦で先発出場するなど、代表内での地位を徐々に確立させつつある。この日の浦和戦ではキャプテンマークを巻き、前半は左ストッパー、後半は守備的MFで90分間プレーした。
「キャプテンは、(反町監督に)『地元だからキャプテン』と笑いながら言われました(笑)。相手が浦和だったので、試合自体は紅白戦を戦っているような感じでした。前半のストッパーのときは相手の山さん(山田暢久)やセル(エスクデロ・セルヒオ)に前を向かせるなど、軽いプレーが多かった。後半は、前目でプレーしようと敏くん(青山敏弘/広島)に行って、攻撃的にプレーしました。でも、もう少し守備面でバランスを取ったほうが良かったかもしれません。監督からは『恐れずにボランチから前の選手に当てていこう』と言われた。今回のミニキャンプは短かったので満足していません。今後はチームに帰ってアピールして、また代表に呼んでもらいたいですね」
 現在、細貝は浦和で主に守備的MFを任されている。例えば田中マルクス闘莉王と組んだときなどはバランス取りに腐心して広大なミドルエリアをカバーする仕事をこなしている。
「闘莉王さんと組んだときは、なるべく闘莉王さんにフリーでボールを持ってもらいたいと思っている。そのために僕はカバーをする。でも、守備一辺倒では駄目だと思うんです。闘莉王さんをフォローしながらも、僕も積極的に攻撃に関与しなくちゃいけない。その意味では、僕のプレーはまだまだです」
 ここ数年、浦和は主力選手が固定され、若手が出場機会を得られることはほとんどなかった。しかし、ゲルト・エンゲルス監督が就任してからは細貝、堤俊輔、梅崎らの23歳位前後の選手が台頭し、ピッチに立つ機会が増えた。
 浦和もかつては23歳前後の選手が頭角を表し、大きく飛躍を果たした時代がある。4年前のアテネオリンピックでは田中達也と闘莉王が代表メンバーに選出され、貴重な経験を積んだ。また鈴木啓太は本戦のメンバーから漏れた屈辱をバネに、“アテネ以後”大きくブレイクを果たした。

 世界的に見れば23歳前後の年齢は決して若すぎることはない。例えば、今回の北京オリンピックに出場する可能性のあるリオネル・メッシ(アルゼンチン代表/バルセロナ)やライアン・バベル(オランダ代表/リバプール)は名門クラブの主力選手だ。またボージャン・ケルキック(スペイン/バルセロナ)は1990年8月28日生まれで、まだ17歳。アレシャンドレ・パト(ブラジル代表/ACミラン)も1989年9月2日生まれで現在18歳だがミランでは堂々レギュラー。彼らは今回のU-23日本代表との練習試合で浦和のメンバーとして出場した浦和ユースの山田直輝や高橋峻希と同年代なのだ。
 世代間競争が熾烈になればチームは活性化される。主力が長期に渡って安泰なのは健全ではない。北京世代、そして2012年のロンドンオリンピック世代の活躍が、今後の浦和を築くきっかけとなる。

<写真説明>23日に行われた五輪代表候補対浦和の練習試合のひとコマ。細貝(右)と左はユース所属の山田直輝

※本企画は毎週水曜更新予定です。感想はこちらまでお寄せください。

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