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玉田圭司を巡る20のキーワード

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3月21日からの日本代表候補合宿のメンバーに選ばれ、玉田圭司は千葉県習志野市での練習に参加した。

ここは高校時代の3年間を過ごした地元であり、バーレーン戦に続いての代表招集ということもあり、とてもリラックスして青い練習着に身を包んだ。

23日、合宿最終日の練習試合で、玉田はスターティングメンバーとして、水はけのために少し盛り上がっている、高校時代から立ちなれたセンターサークルに立った。

「日本代表は本当に楽しい。やっぱり日本でうまい人たちばかりが集まるし、FWからしてみれば、『ここでこんなパスがほしい』と思ったとおりのパスが後ろから来る。
そんな時は、パスを受けながら本当にゾクゾクする。
代表という責任感も感じるけれど、それ以上にサッカーやってて、すごく楽しいと思える時間ですね」
ジーコジャパンの頃から、彼はそう言って代表でのプレーを楽しんでいた。

23日の練習試合では、今回招集されたチームメイトの中村直志選手とともに、青い練習着でピッチを躍動した。
「疲れるけど、楽しい」
そう言いながら、「直志!」と大きな声を出してパスを要求し、誰より果敢にゴールを狙って、ピッチを駆け続けた。

一方で、チームはその後連敗を喫している。
明らかにチーム全体が疲労のせいで動きが鈍っていた。
その中でも、リーグと代表を掛け持ちしている玉田は、明らかに疲労が蓄積されているように見える。

今季初の敗戦となったヴェルディ戦の後で、後半早々での選手交代での退場に、彼は悔しそうな顔で、ベンチで劣勢の戦況を睨んでいた。


「今でも自分は誰にも負けない気持ちでプレーしています。だからシーズンが始まったら、チャンスはあると思う」
08年シーズンが開幕する前に、彼は自主トレをしながらそう語った。
そして、その予言どおり、彼はチームの中心選手としてのポジションを奪い返し、予想外のスピードで日本代表に再選出された。

06年はJリーグと日本代表の両立で、気づかぬうちに体を酷使していた。
その経験を活かすか殺すかは、連戦が続くこの5月の彼のプレーが証明するだろう。

ジーコジャパンの時は、なんとなく若手のポジションだった彼も、岡田監督の下での日本代表では、経験豊富な中堅選手として、自分のやりやすいよう、そして若手のやりやすいよう、意識的に立ち振る舞っているように見える。

ドイツで得ることのできなかった“何か”を、ふたたび日本代表として掴むために。
日本代表としての玉田圭司の真価が問われるのは、まさにこれからだ。

<写真説明>23日の代表候補練習のひとこま。その他写真は日本代表PhotoNews「玉田圭司特集」にも掲載


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