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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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メダルが惜しかった割に日本は次の準備をしなかった
by セルジオ越後

 リオデジャネイロオリンピック代表の世代であるU-21日本代表が出場したAFC U-22選手権は惨敗だった。日本はとにかくちゃんと準備できなかった。イラクとの試合は0-1だったけれど、よく1点で終わったという内容。久しぶりにこんなに差のある試合を見たよ。メディアがこの大会を取り上げないことが幸いしているけど、4試合戦って勝ったのは予選突破が決まっていたオーストラリア戦だけ。それなのに誰も批判を浴びることなく、惨敗したことがもう忘れられようとしている。

 それにしてもなんというスタートだったのか。日本には何が残ったのか。優勝したイラクは圧倒的な強さだった。A代表経験者を揃えてしっかりと準備して勝ちに来て優勝した。それに対して日本はこの選手たちなら予選を戦えるとか、何人発掘できたとか収穫がない。次回のAFC U-22選手権は、今回と同じセントラル方式でオリンピック出場を懸けた試合になる。だけど日本は今回、シミュレーションになる大会をぶっつけ本番で戦って、あっさりと負けてしまった。そもそもこの大会がなかったら、手倉森監督のチームのスタートはワールドカップのあとだったはずだ。日本のこの世代は世界で戦った経験がない(U-20W杯はアジア予選敗退)のに、それでは準備が遅くないのか。

 ロンドンオリンピックを4位で終わって、メダルに惜しい所まで行った割に日本は次の準備をしなかった。ロンドンの時よりももっといい準備をして、いいスタートを切ろうという考えがないのかもしれないけど、すでに凄く出遅れてしまっている印象だ。これでちゃんとやったら勝てるところを見せられるのか。これが予選だったら、敗退しているということを忘れてはいけない。

 U-21代表はこのあと、しばらく試合がない。こんなに力の差を見せつけられても誰かが責任を取ることもないだろう。これまでと変わらない取り組みで予選やオリンピックを戦ってオリンピックで運良く勝ったら国民栄誉賞、負けたらドンマイ。勝ったら大騒ぎするけれど、負けたら本当に関心を持つことがない。負けた時こそ指摘していい方向に向かわせてほしい。この文化を変えないと、本当に取り返しのつかないことになるよ。

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