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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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アジアで勝てなければ、世界では戦えない
by セルジオ越後

 アジア大会に出場しているU-21日本代表はイラクに1-3で負けた。AFC U-16選手権ではU-16日本代表が準々決勝で韓国に負けてU-17W杯への出場権を逃しているし、次の世代たちが苦戦している。

 なるようになってきている印象だ。全国各地の高校の指導者たちが汗かいてフェスティバルで強化していたような昔やっていた育成から、高校サッカーはプリンスリーグやプレミアリーグというスポンサーの大会に変わったけれど、ユース年代の代表チームは昔に比べて結果が出にくくなっている感じがするよ。今年、全日本少年サッカーの決勝を見たけれど、叩いて、裏へ走っての繰り返し。同じような選手ばかりで“人形”みたいに見えた。野性さがなくなっている。全体的なレベルは上がってきているかもしれないけれど、飛び抜けた選手が育っていないと思う。

 U-21代表は今回の敗戦でイラクに3連敗。差が詰まっていない。アジア大会で周りの国々はオーバーエイジを使って一緒に勝ちに来ているけれど、日本はオーバーエイジを使わず、各クラブ1人ずつとか制約をつくって選手を招集している。力を落として勝てる状況ではないだろう。かき集めチームではこんなものだよ。今の日本は本気で勝ちにいかなければ、勝てる状況ではないと思うよ。

 U-20ワールドカップ予選のグループリーグで韓国と戦うU-19日本代表も楽な状況ではない。U-16もU-19もアジア予選で敗退して、U-21もアジアで敗退してしまう可能性がある。U-21代表はまだ2位で決勝トーナメントに行くチャンスがある。ただほかの世代を見てもグループ1位になれない。当たり前に勝てなくなってきている。アジアのレベルが上がったと同時に日本も伸び悩んでいる。日本は、世界ばかり見てしまっているけれど、アジアで確実に負けはじめているんだ。その状況を変えられるか。アジアで勝てなければ、世界では戦えないよ。

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