beacon

セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

このエントリーをはてなブックマークに追加

Jリーグ、宇佐美以上の選手は他のチームを見渡してもいなかった
by セルジオ越後

 J1は最終節に優勝が決まったけれど、ガンバ大阪、浦和レッズ、鹿島アントラーズと3チームに優勝できるチャンスがあった。有利な状況にいたガンバが引き分けて、2位のレッズと3位のアントラーズは敗戦。最終節の試合を勝ってハッピーエンドで終えたチームはなかった。自力で優勝を決めるチャンスがありながらも逃していたレッズよりも最終節、ガンバにとって一番のライバルはアントラーズだったと思う。ガンバと勝ち点で並んだ場合、得失点差でひっくり返せるのがアントラーズだったからだ。でもアントラーズも、レッズも最終節で負けてガンバが優勝した。

 ガンバは宇佐美が怪我から戻ってきてエースとして活躍し、外国人選手も当たった。前半は出遅れたけれど、ラストスパートのところで他を層の厚さで上回った。レッズは外国人の結果が出なかった。セットプレーからDFが良くゴールを決めていたけれど、最後興梠が怪我した時に層の薄さを露呈したね。鳥栖は日本人と韓国人だけであそこまで来れることを証明した。最近のJリーグを見ていると、アントラーズはひとつの線を継続して安定した結果を残しているけれど、他のクラブの多くは監督がころころ代わって一貫性のないクラブが多い。選手だけでなく、監督も誰かが抜けたところに誰かが入る“回転寿司”になり出した。サンフレッチェは選手を引き抜かれて苦しかったし、ライバルになる可能性のあったマリノス、グランパス、フロンターレもいいシーズンを送れなかった。

 この選手が目立ったというのはほとんどないシーズンだった。優勝チームもしかり。宇佐美以上の選手はガンバ、他のチームを見渡してもいなかったんじゃないかな。大久保が2年連続得点王になったけれど、他のチームも「なるほど」という活躍をした選手はいない。チームも選手も新鮮さがなかった。テニスの錦織ひとりに負けた印象だ。

 最終節で優勝の決まる一番スリルある形のフィナーレだけど、シーズンの正念場の優勝争いよりも今年、一番盛り上がったニュースは選手の引退だったと思う。柳沢と中田の引退の方がインパクトがあった。中田も柳沢も高校からJリーグに入っていきなりフィットしてJリーグを引っ張ってきた世代。一世代の終わりとなったね。ストーブリーグも熱いニュースがないし、なかなかワクワクするようなニュースのないJリーグ。冷めていくばかりにならないでほしいね。

TOP