beacon

POINT OF SOCCER by 長谷川望

このエントリーをはてなブックマークに追加

元Jリーガーがハワイで伝えるサッカー
by 長谷川望

 ハワイにはたくさんの日本人の子供たちが通うサッカースクールがあります。ホノルルで活動しているハワイ808サッカースクールは、日本語と英語を使ったサッカー指導を行っており、現地で暮らす日本人の子供たちが多く集まっています。

 練習場は天然芝の壮大なグラウンド。そこでは何チームものサッカークラブが同時に使用しており、道路を挟んで広がるのはキラキラ光る海という抜群の環境です。

 ハワイ808サッカースクールのテクニカルアドバイザーを務めているのは、バルセロナ五輪代表、Jリーグでは横浜フリューゲルスなどで活躍し、現在J3のY.S.C.C.横浜で指導をしている高田昌明コーチです。高田コーチは「天然芝でこんなに広いグラウンドは日本にはなかなかない。私が子供のころは土とか砂利のグラウンドでやっていて、芝は県大会の決勝戦などの時にしか使えなかったので恵まれた環境だと感じている。ハワイだと土があるのが珍しく、芝のグラウンドしか見た事ない」と、ハワイのサッカー環境の良さに太鼓判を押します。

 千葉県の名門・船橋市立船橋高等学校サッカー部出身で、全国高校サッカー選手権ではベスト4を経験している高田コーチの指導理念は、ボールを使ったトレーニング。高校時代は厳しい走り込みで体力をつくっていましたが、ボールを使いながら体力を養うことが大切だと言います。この日も子供たちは一人ひとつのボールを持って練習していました。

「ドリブルしながらの追いかけっこや1対1は心拍数が上がるので、それを少し広いコートでやると技術を養いながら自然と体力がつく。サッカーはただ走っているだけではなく、止まったり、ダッシュしたり急激な動きに身体が対応しなければいけない。ただ持久走で走るよりはボール使ってフェイントしたり、抜くときにスピードを落としたり、抜いたあとにスピードを上げたりと緩急の変化を加えた走りがサッカーには必要。それにはボールが必要不可欠」

 サッカーの戦術的な知識や情報は日本よりも少ないというハワイですが、経験豊富な指導者によって浸透していくでしょう。広い天然芝のフィールドがたくさんある恵まれた環境で常にボールを使うことで、サッカーに適した身体づくりと技術を身に付けることができるハワイの子供たち。これからどのように成長していくのか楽しみです。

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
スポーツライター長谷川望facebookファンサイトはこちら

TOP