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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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日本は上手くなったと言われるけれど強くなっていない。上手くなくても勝てばいい
by セルジオ越後

 日本代表はアジアカップ準々決勝で敗退した。グループリーグは恵まれたグループに入ってある程度得点が取れた。でも、警戒されて引かれて苦戦。相手が引いて先に点を取られたら逆転する力がない。シュートを35本打ったって決められなければ勝てないよ。

 ヨルダン戦では香川が228日ぶりに点を取って、メディアも一緒になって大喜びしていたけれど、過保護過ぎないか。相手が強かった訳ではない。日本が凄いんだという話題ばかりで、冷静な分析がなかった。UAE戦ではまるでデビュー戦かのように慌ててしまっている選手がいた。長友が怪我したら右SBに柴崎。リズムをつくっていた選手を外に出したら良さが消えてしまった。武藤も大舞台で力を発揮できたとは言い難い。精神的な弱さも見せた日本はワールドカップの雪辱を果たすことができなかった。これでコンフェデに行けない。ワールドカップ予選だって危ないよ。

 本田、香川はPK失敗だけじゃない。その前にも外している。チームを勝たせることはできなかった。残念だけど、メディアのつくったスターでは勝つことができない。スタンドからはアジアのベスト8で負けても拍手。変わらない。ワールドカップ、アジアカップ、ダブルで真剣に反省していかないといけない。もう余裕はない。ただ、メディアは早く負けたというイメージを消すだろう。遠藤から柴崎と手のひらを返して新しいスターをつくるのかな。

 日本サッカー協会は非公開練習やったりするよりも、選手たちにもっと人の前で仕事させること。もっとプレッシャーをかけた状態で試合の準備をさせなければいけないんじゃないか。逞しさがない。テニスの錦織は無名な時にはメディアからほとんど相手にされず、結果を出して注目を集めた。日本のサッカー界には結果出していないのに錦織がいる。もっと選手の競争をつくらないといけない。ワールドカップメンバー中心だったアジアカップから、今後どのようなメンバー、方針でやっていくのか。何か変えないとズルズル行ってしまう。

 日本サッカーにとって残念な結果の続いた14年から、新しい年明けの期待があったけれど何も変わっていない。どの年代も勝てない貧しさ。日本は以前に比べて上手くなったと言われるけれど強くなっていない。上手くなくても勝てばいい。「ドンマイ、ドンマイ」はもう無理。変化しなければいけない。

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