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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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アジアでウカウカしていられる立場ではない
by セルジオ越後

 アジアカップはオーストラリアが優勝した。ホームで有利だったのもあるけれど、ワールドカップから思い切って入れ替えて、いい選手が出てきている。サイズがあるし、最後まで走れる。身体を張ってボールを取っていた一方でシュートが良く枠にいく。繋げるし、安定してゲームをつくることもできる。そういう正確性もあったし、破壊力もあった。MVPを取ったルオンゴはまだ伸びる選手。そして両サイド、20番のセインズバリーとかも良かったし、ライアンという今後も期待できるGKも誕生している。オーストラリアはACLで優勝して、アジアカップでも優勝。強化が成功しているね。

 また準優勝の韓国は準決勝まで無失点。ワールドカップから選手の多くを入れ替えて、ベテランを少し加えたチームで決勝まで勝ち上がった。こちらも走れる、頑張れる、若い選手たちが印象的だった。日本は前回大会で優勝したけれど、圧倒的な強さはなかった。今回のオーストラリアと韓国の決勝もどっちが勝つか分からないような試合だった。どこが勝つか分からない。それがアジア。日本が抜け出していた時期もあるかもしれないけれど、今は中国がまた良くなってきたとか、変わってきている。もう日本はアジアでウカウカしていられる立場ではないよ。

 各チーム、誰だっけという若い選手が出てきていた。でも日本はほとんど以前の名前のまま。対策が遅れたままになっている。ゆっくり選手作るゆとりはない。人気、興行優先の親善試合を国内でやっている場合ではない。また、ボクはJリーグにプレッシャーをかけないといけないと思っている。スタジアムとかの問題よりも「いい選手つくれないところにはライセンスを与えられないよ」と脅かしてほしいくらいだ。

 アジアのサッカーは日本の足りない部分を示してくれている。イラクとイランの試合やイラクとUAEの3位決定戦も激しかった。日本はもっと逞しくならなければいけない。もう、上手いだけで勝てる時代ではない。

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