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ヤング魂 by 長谷川望

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[特別編]木場克己トレーナー「プロへの一歩は怪我をしない身体づくりから」
by 長谷川望

「将来プロサッカー選手になりたい!」「海外でプレーしたい!」という目標を持って、サッカーに打ち込む少年・少女たち。そのなかでテクニックを磨くことはもちろん夢に近づく第一歩だ。近年では2014年のダノンネーションズカップ世界大会で横河武蔵野FCジュニアが優勝するなど、日本のジュニアサッカーのテクニックは世界でも引けを取らないレベルまで上がってきている。

 次のステップとして、年齢が上がり、体格差がはっきりと分かるようになった時に、そのテクニックをいかにして発揮できるかがポイントとなる。ジュニアユースの海外選手と対戦した選手たちがよく口にするのが「当たり負けしてしまう」という話だ。どんどん年齢が上がるにつれて、このような課題も増えてくるだろう。それでは選⼿たちはどのような⾝体づくりをしていけばいいのだろうか?

 今回は久保建英(マジョルカ)、中井卓大(レアル・マドリー・フベニールC)をジュニアから指導している木場克己トレーナーに、身体づくりについて話を聞くことが出来た。

——久保選手、中井選手はいつから指導されていますか?
木場「久保選手は小学4年生の夏休みからで、中井選手は小学3年生からでした。彼らみたいにプロを目指すためには、まず自分の身体を知ることです。足が速いからサッカーが上手いわけでもないし、ドリブルが上手いからサッカーが上手いわけじゃない。それに伴った怪我をしない身体をどうやって作るかが大切です。『この子は怪我をしやすいな』っていうのは、体幹バランスを見ていて分かってしまうので、それはプロを目指す選手にとってマイナスになってしまうと思います」

——両選手が活躍し続けているのは、これまで大きな怪我をしていないということにも繋がっていると思います。
木場「二人ともジュニアのころから体幹トレーニングで、自分の身体をよく理解して、コントロールできるようになってます。なぜジュニアで体幹が必要かというと、プロになる選手は16歳くらいから、プロ契約ができます。そうしたら筋肉や骨格が出来ている大人と練習をすることになります。しかし10代前半だとまだ身体が出来ていないので、怪我をしてしまう恐れがでてきます。なのでブレない体幹と、下半身で踏ん張れる筋肉が必要です」

——怪我は選手生命に大きく関わってきますね。
木場「スペインリーグで活躍する久保選手を見ていても一番心配なのが怪我です。特にサッカーでこわいのが膝の怪我。サッカー選手を終わらせなければいけないほどの怪我をする人がいます。そういう怪我を防ぐためには、片足で上半身をしっかり支える踏ん張る筋肉がないといけません。例えばパスを出す瞬間、大人の大きい選手が後ろから来たときに崩れてしまう場面。もし片足で身体を支えられる筋肉を体幹バランスで鍛えていたら、取り返しのつかない怪我を防ぐことができるでしょう。小学校、中学校、高校、大人になるにつれて、それを早いうちからやっておかないと危ない場面で怪我をしてしまいます」

——どういう部分を意識して体幹トレーニングをすれば効果的ですか?
木場「片足を上げて、ジャンプをして、着地をした時にグラっとなってしまう選手は怪我をしやすいので気をつけてほしいですね。頭がブレないように、コントロールできる身体づくり、自由に使える体幹をつくらないといけません。なかでも多裂筋(たれつきん)という姿勢をつくる筋肉、骨盤を安定させる腹横筋(ふくおうきん)という筋肉、足を引き上げる腸腰筋(ちょうようきん)、この3つの筋肉をうまく使えると本当に良い選手になれます」

 怪我のリスクは常につきまとうサッカーだが、そのなかで怪我をしない身体づくりがプロへの道の大切な一歩となる。コロナウイルスの影響でサッカーをする機会が減った子どもたちも、家でできる体幹トレーニングで夢に向き合ってみてはいかがだろうか。

◆木場克己プロフィール◆
1965年12月26日生まれ。鹿児島県曽於市出身。
柔道整復師・鍼灸師・日本スポーツアスレティックトレーナー。
トレーニングは、COREトレSTUDIO(東京都江東区亀戸1-8-11 二見ビル5階)で受けられる。
木場克己オフィシャルサイトはこちら


◆著者プロフィール◆
長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。リオ五輪で4連覇を成し遂げた女子レスリング伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、『林先生のあのアスリートを一流にした劇的スイッチ』他多数出演。
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