J2アシスト王がアジア初弾!! クロスじゃなかった? 鹿島MF平戸「イメージどおり」
[3.5 ACLグループE第1節 鹿島2-1ジョホール]
アカデミー育ちの21歳が復帰初戦で結果を出した。鹿島アントラーズMF平戸太貴は前半43分、自身がキッカーを務めるセットプレーの流れからリターンを受け、ユース同期のDF町田浩樹が待つゴール前にクロスを供給。「ゴール前で触れば入るし、触らなければそのままゴールに向かう」という「イメージどおり」の軌道で直接ネットを揺らした。
前半15分にはMFセルジーニョのPKが相手に阻まれるなど、優勢を保ちながらもピリッとしないパフォーマンスが続いたこの日の鹿島。だが、町田からの武者修行帰りの21歳が試合を動かした。この日の持ち場は不慣れな右サイドバック。しかし、大岩剛監督からセットプレーのキッカーを任されたことで「自分の一番の武器」という右足にチャンスが巡ってきた。
クロスを送る直前、中央にはユース同期の町田が見えたという。「中の状況と相手の位置を見て、ここに落とせば味方も触れるし、触れなくてもブラインドになってゴールに向かうボールを意識している」。昨季J2リーグアシスト王の正確無比なクロスに町田の足は届かなかったが、想定どおりの流れでファーポスト際に吸い込まれた。
復帰後初ゴールは、自身にとって鹿島のトップチーム初ゴール。それをアジアの初舞台で決めてみせた。「マチ(町田)が決めてくれても良かった。触るかなと思ったけど」と同期の“空振り”には苦笑いも見せたが、「まずは結果が出たことは素直にうれしい」と門出の一発を振り返った。
ただ、その言葉には続きがあった。「チームとしても個人としてもできることがあるのでしっかり修正したい」。この日、試合前にはDF内田篤人から「相手の前に立て」というアドバイスも受けたが、守備面では対応に苦慮する場面も。取材対応の場でも「まだまだやらなきゃいけない」という気持ちを強調した。
「流れの中でミスが多かったり、ビルドアップではもう少しスムーズに運べたし、この相手ならもっと崩してゴールを決めないといけない。守備でも確実に奪うところを奪ってカウンターにつなげないといけないし、精度を上げていかないといけない」。
町田時代はアシスト連発にも浮かれる様子を見せなかった平戸。その理由を「小笠原満男選手を見て育ってきたので」と答えていたのが印象深い。「誰が出てもやれるところを証明したいし、その中で自分がアピールしていきたい」。今はレジェンドの足元にも及ばないカップ戦要員。だが、目の前の試合で結果を出し続けることでその先が見えてくるはずだ。
(取材・文 竹内達也)
●ACL2019特設ページ
アカデミー育ちの21歳が復帰初戦で結果を出した。鹿島アントラーズMF平戸太貴は前半43分、自身がキッカーを務めるセットプレーの流れからリターンを受け、ユース同期のDF町田浩樹が待つゴール前にクロスを供給。「ゴール前で触れば入るし、触らなければそのままゴールに向かう」という「イメージどおり」の軌道で直接ネットを揺らした。
前半15分にはMFセルジーニョのPKが相手に阻まれるなど、優勢を保ちながらもピリッとしないパフォーマンスが続いたこの日の鹿島。だが、町田からの武者修行帰りの21歳が試合を動かした。この日の持ち場は不慣れな右サイドバック。しかし、大岩剛監督からセットプレーのキッカーを任されたことで「自分の一番の武器」という右足にチャンスが巡ってきた。
クロスを送る直前、中央にはユース同期の町田が見えたという。「中の状況と相手の位置を見て、ここに落とせば味方も触れるし、触れなくてもブラインドになってゴールに向かうボールを意識している」。昨季J2リーグアシスト王の正確無比なクロスに町田の足は届かなかったが、想定どおりの流れでファーポスト際に吸い込まれた。
復帰後初ゴールは、自身にとって鹿島のトップチーム初ゴール。それをアジアの初舞台で決めてみせた。「マチ(町田)が決めてくれても良かった。触るかなと思ったけど」と同期の“空振り”には苦笑いも見せたが、「まずは結果が出たことは素直にうれしい」と門出の一発を振り返った。
ただ、その言葉には続きがあった。「チームとしても個人としてもできることがあるのでしっかり修正したい」。この日、試合前にはDF内田篤人から「相手の前に立て」というアドバイスも受けたが、守備面では対応に苦慮する場面も。取材対応の場でも「まだまだやらなきゃいけない」という気持ちを強調した。
「流れの中でミスが多かったり、ビルドアップではもう少しスムーズに運べたし、この相手ならもっと崩してゴールを決めないといけない。守備でも確実に奪うところを奪ってカウンターにつなげないといけないし、精度を上げていかないといけない」。
町田時代はアシスト連発にも浮かれる様子を見せなかった平戸。その理由を「小笠原満男選手を見て育ってきたので」と答えていたのが印象深い。「誰が出てもやれるところを証明したいし、その中で自分がアピールしていきたい」。今はレジェンドの足元にも及ばないカップ戦要員。だが、目の前の試合で結果を出し続けることでその先が見えてくるはずだ。
(取材・文 竹内達也)
●ACL2019特設ページ