beacon

宮崎純真が土壇場同点ゴール!! J2甲府はメルボルン・Cと打ち合いドロー、ACL決勝T進出に望みつなぐ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[11.29 ACLグループH第5節 甲府 3-3 メルボルン・C]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は29日、グループリーグ第5節を各地で行い、ヴァンフォーレ甲府メルボルン・シティ(豪州)と3-3で引き分けた。今節の首位キープは他会場の結果次第となったが、最終節のブリーラム・ユナイテッド戦に勝利すれば自力で決勝トーナメントに進出できる可能性を大きく残した。

 J2リーグからACLに参戦している甲府だが、ここまでは2勝1分1敗の首位で迎える第5戦。本拠地のJITリサイクルインクスタジアムがACL規定を満たさないため、ACL出場権を掴んだ昨季の天皇杯決勝から3連勝が続く国立競技場に乗り込んだ。会場には過去2戦よりも多い15877人の観衆が詰めかけた。

 甲府はJ2最終節で山形に1-2で敗れ、J1昇格プレーオフの出場権獲得に失敗。その一方、ACLではターンオーバーのため出場機会がなかったJ2主力メンバーを起用できるようになり、GK渋谷飛翔、MF長谷川元希、FW三平和司が初先発を果たした。[スタメン&布陣]

 試合は前半5分、メルボルンに先手を取られる苦しい立ち上がりとなった。スローインから左サイドを攻め込まれ、プレッシャーをかけられないままエリア内に侵入を許すと、DFカラム・タルボットの左足シュートがゴール右上へ。ACL国立では初めての先制点献上となった。

 ところが甲府は徐々に相手のビルドアップに対し、4-4-2ベースの守備ブロックでハメられるようになると、前半9分に同点に追いつく。長谷川のFKは相手に阻まれてファーサイドに流れたが、DF三浦颯太が果敢な突破から左足クロスを配球。ゴール前に攻め上がっていたDF井上詩音が頭で押し込んだ。

 その後も甲府はハイプレスで相手のビルドアップを許さず、ボールは持たれながらも優位に試合を展開。そして前半43分、勝ち越しに成功した。自陣でのビルドアップから井上が前線にロングフィードを送ると、MF鳥海芳樹が反応。相手DFに身体を入れられながらもうまく入れ替わり、足を投げ出しながら合わせ、ループシュートを流し込んだ。

 それでも2-1で迎えた後半は再び相手のビルドアップに対し、後手に回る形になると、11分にFWレオ・ナテルのクロスに立ちはだかった三浦の手にボールが当たり、ハンドでPKを献上。これをMFトルガイ・アルスランに決められ、再び試合が振り出しに戻った。

 甲府は後半18分、ここまでACLフルタイム出場だったMF林田滉也、エースのFWピーター・ウタカを下げてMF松本凪生とFWクリスティアーノを投入。ところが後半19分、左サイドを勢いよく侵入され、ナテルのクロスを許すと、ゴール前に走り込んだFWマリン・ヤコリシュにボレーで叩き込まれ、逆転された。

 なんとか取り返したい甲府は後半37分、松本のミドルシュートがゴールマウスを襲うも、相手GKがファインセーブ。直後にはセットプレーの二次攻撃から途中出場FW宮崎純真がボレーで狙ったが、惜しくも枠を外れた。

 それでも後半40分、甲府はクリスティアーノが右サイドを駆け上がると、無理な体勢から強引にハイクロスを送り込み、これに宮崎が反応。バックヘッド気味の難しいシュートをゴールに流し込み、土壇場で同点に追いついた。そのまま試合はタイムアップ。土壇場の同点ゴールにより、各組首位と各組2位の上位3チームに与えられる決勝トーナメント進出権への可能性を大いに残した。

(取材・文 竹内達也)
●ACL2023-24特集

竹内達也
Text by 竹内達也

TOP