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川崎Fは後半AT失点でアジア制覇の夢潰える…山東泰山との乱打戦に屈し、第1戦勝利もACL8強ならず

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川崎FはACL敗退

[2.20 ACL決勝トーナメント1回戦第2戦 川崎F 2-4 山東泰山 等々力]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は20日、決勝トーナメント1回戦第2戦を行った。川崎フロンターレ山東泰山(中国)の対戦は、山東が4-2で勝利。2試合合計でも6-5で制し、準々決勝進出を決めた。3月の準々決勝では横浜F・マリノスとバンコク・ユナイテッド(タイ)の勝者と対戦する。

 川崎Fは13日に敵地で行われた第1戦は3-2で勝利。第1戦からは先発を2人変更し、DF丸山祐市とDF三浦颯太を起用する。4-1-2-3の布陣を敷き、GKはチョン・ソンリョン、4バックは左から三浦、丸山、DF大南拓磨、DF佐々木旭。アンカーにMF橘田健人、インサイドハーフにMF山本悠樹とMF脇坂泰斗。前線3人は左からFWマルシーニョ、FWエリソン、FW家長昭博となった。[両スタメン&布陣]

 逆転を狙う山東もスタメンを2人変え、DFシー・クー、MFシエ・ウェンノンを起用する。川崎Fは序盤から守勢に回ると、前半8分に失点。大南がMFリー・ユェンイーにボールを奪われ、クロスを上げられると、FWクリサンのヘディングシュートを食らった。この時点で2試合合計3-3と追いつかれてしまった。

 ボールを保持しながらペースを握りたい川崎Fは、徐々にパスが回り始める。しかし前半24分に2失点目。脇坂の左CKが相手にカットされると、そのままカウンターを始められる。MFバレリ・カザイシュビリに右アウトサイドでクロスを上げられ、最前線を走るDFガオ・ジュンイーにスライディングで押し出される。ボールはゴール右ポストに当たりながらラインを割って0-2となる。2試合合計で3-4とひっくり返された。

 川崎Fの嫌なムードが漂うなか、流れを取り戻したのは新加入選手たち。前半30分、三浦が自ら持ち込んだボールは、エリソンにつながらなかったものの、山本が左サイドで収める。相手のタイミングをずらしながら出したスルーパスを、三浦がPA左でトラップ。渾身の左足シュートを放ち、ゴール右隅に加入後初、そしてプロ初ゴールを沈める。1-2として2試合合計4-4と振り出しに戻した。

 その後は川崎Fの持ち味である細かいパスワークが機能し始め、敵陣に迫る。絶好機を何度も作り出したが、追加点は奪えずに前半を折り返した。

 ハーフタイムで山東が2枚替え。それぞれイエローを受けていたDFジョン・ジョンとシエに代え、FWマテウス・パトとFWフェルナンジーニョが入る。

 後半は川崎Fが引き続き主導権を握る。そして後半14分、待望の2点目を挙げる。脇坂が中盤から右サイドにスルーパス。家長が右足でクロスを上げると、ゴール前でマルシーニョが合わせるもポスト直撃。しかし、エリソンが左足で豪快に押し込んだ。2-2と同点、2試合合計で5-4と勝ち越した。

 だが、山東も粘りを見せる。後半28分、クリザンが左サイドからカットイン。PA手前で川崎Fのブロックをかいくぐるように右足を一閃し、ゴール左隅に突き刺す。2-3と勝ち越し、2試合合計で5-5と追いついてみせた。

 後半35分、川崎Fは橘田が中盤でボールを奪取し、脇坂がつなぐ。山本がダイレクトで最前線にスルーパスを飛ばすと、エリソンがGKワン・ダーレイとの1対1で倒された。決定的な得点機会の阻止でGKワンにレッドカードが出されるが、直後にはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックが入る。直前のプレーでエリソンのオフサイドが認められ、GKワンのレッドカードは取り消された。

 川崎Fは後半39分に3枚替え。山本、エリソン、マルシーニョを下げ、MF瀬川祐輔、FWバフェティンビ・ゴミス、FW山田新が出場する。前線は左が瀬川、中央がゴミス、右が山田となる。中盤は脇坂、橘田、家長で構成された。

 後半アディショナルタイムに突入すると、両チームがゴールを脅かす。だが、得点を挙げたのは山東。右CKからジャジソンがゴールに押し込んだ。

 そのまま試合は終了し、川崎Fは2-4、そして2試合合計で5-6と逆転を許し、7年ぶりのベスト8進出を逃した。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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