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[ACL]G大阪が3発逆転で浦和撃破!初の決勝進出が決定

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[10.22 ACL準決勝第2戦 浦和1-3G大阪 埼玉]

 ACL2008は22日、準決勝第2戦を行い、ACL史上初となった日本勢対決はガンバ大阪に軍配が上がった。万博での第1戦を1-1で引き分け、埼玉スタジアムに舞台を移した浦和レッズ対G大阪の第2戦は、前半36分にFW高原直泰のゴールで浦和が先制したが、G大阪が後半にDF山口智、MF明神智和、MF遠藤保仁のゴールで3得点を奪い、3-1の逆転勝ち。2試合合計4-2とし、初の決勝進出を決めた。決勝は11月5、12日に行われ、5日の第1戦がG大阪のホームで開催される。

 GK都築龍太、MF相馬崇人、MF細貝萌を出場停止で欠く浦和は3-5-2のシステムで、GK山岸範宏、3バックは右から坪井慶介、田中マルクス闘莉王、堀之内聖と並んだ。中盤は阿部勇樹と山田暢久のダブルボランチ、右に平川忠亮、左に堤俊輔、トップ下にポンテが入り、高原直泰とエジミウソンが2トップを組んだ。
 4-4-2のG大阪はGK藤ヶ谷陽介、4バックは右から加地亮、中澤聡太、山口智、安田理大。中盤は明神智和と橋本英郎がダブルボランチを組み、遠藤保仁が右サイド、二川孝広が左サイドに入り、2トップはロニーとルーカスの組み合わせだった。

 試合は立ち上がりから両チームとも体を張る激戦となった。浦和は前半5分、ポンテのパスから堤がPA内に走り込み、シュートを狙ったが、DFがスライディングでクリア。G大阪もその1分後に二川の右クロスに遠藤が飛び込んだが、直前で山田暢がヘディングでCKに逃れた。
 ホームの大歓声を受けた浦和は徐々に攻勢を強める。前半18分、山田暢が強烈な左足ミドルを放つと、同21分には闘莉王のパスを受けた高原がPA内で切り返し、左足でシュートを打ったが、中澤がかろうじてクリアした。その1分後には右CKのこぼれ球をPA内の阿部がオーバーヘッド気味にゴール前に浮かすと、堀之内が頭で角度を変えたが、GK藤ヶ谷が好反応でかき出した。
 立ち上がりの猛攻をしのいだG大阪も反撃に転じた。遠藤、二川が絶妙なポジショニング取りでボールを引き出し、前を向いてキープする場面が増える。しかし2トップと呼吸が合わず、サイドからの押し上げも遅いため、浦和の壁に阻まれ、なかなかシュートチャンスまで持ち込めなかった。
 浦和は前半36分、相手のミスから先制に成功する。右サイドから高原がゴール前に上げると、DFのクリアが小さくなり、高原の目の前にこぼれる。すかさず高原はダイレクトで右足を振り抜き、シュートはゴール左隅に吸い込まれた。先制点で勢いに乗る浦和は前半40分にもカウンターからチャンスをつくる。ポンテが左サイドを独走し、エジミウソンにパスを送るが、エジミウソンはシュートミス。同43分にはPA外でパスを受けた高原が振り向きざまに左足で強烈なミドルシュートを放ったが、クロスバーに弾かれ、前半は1-0で折り返した。

 G大阪は後半開始から、動きに精彩を欠いていたロニーに代えてMF佐々木勇人を投入。ルーカスの1トップで、攻撃的MFに佐々木、遠藤、二川を並べる4-2-3-1にシステム変更した。すると後半6分、セットプレーから同点ゴールが生まれる。遠藤の右CKにフリーで飛び込んだ山口が完璧なタイミングでヘディングシュートを叩き込み、1-1。2試合合計2-2、アウェーゴールでも並び、まったくの五分の状態になった。
 流れは一気にG大阪に傾いた。後半13分には橋本のスルーパスに佐々木が右サイドを抜け出し、ゴール前にクロスを送る。坪井がなんとかクリアしたが、サイドで数的優位をつくり、浦和守備陣を完全に崩した形だった。
 浦和は佐々木対策で阿部を左サイドに回し、堤をボランチにポジション変更。G大阪の右サイドを警戒した形だったが、後半16分にもG大阪が右サイドから決定機をつくる。加地がオーバーラップから中に切り返して左足ミドルを放つと、GKがはじいたボールを二川がゴール前に折り返し、ルーカスが頭で合わせたが、シュートは枠を捉えきれなかった。
 浦和が徐々に対応し、落ち着きを取り戻すと、G大阪ベンチはすぐに次の手を打った。後半27分、安田理を下げてFW山崎雅人を投入。二川を左サイドに置く3-5-2にシステムを変えた。すると直後の28分、またもセットプレーからG大阪がゴールを奪う。遠藤の右CKから明神が押し込み、2-1と勝ち越しに成功した。
 あと2点が必要になった浦和は後半31分、堤を下げてFW田中達也を投入。しかし、その直後に決定的な3失点目を許してしまう。後半32分、遠藤が右サイドのルーカスに展開すると、細かいパスで浦和守備陣を切り裂き、最後はPA内にフリーで走り込んだ遠藤が落ち着いて右足でゴールに流し込み、G大阪が3-1とリードを広げた。
 これで勝ち抜くためにはあと3点が必要という絶体絶命の状況に立たされた浦和。しかし後半36分にはエジミウソンのシュートがポストに嫌われる不運もあり、時間だけが過ぎ去っていく。平川に代えてFW永井雄一郎も投入し、攻撃に厚みを加えたが、相手のディフェンスも集中を切らさない。最後まで体を張って耐え続けたG大阪が3-1で逃げ切り、決勝への切符をもぎ取った。

<写真>後半31分、ダメ押しの3得点目を決めた遠藤保仁

(取材・文 西山紘平)

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